《ソーシャルグッド》レザレクション 害獣問題解決へエゾシカの革製品 捕獲から処理、なめし、デザインまで一貫管理 食肉事業から発展
シカと共生し、自然とつながる豊かなライフスタイルを目指すレザレクション(北海道北見市)は、害獣として駆除されるエゾシカの皮を有効活用したバッグ・革小物事業をスタートした。林徹代表は「現状ゴミとして捨てられている肉や皮の消費が広がることで、シカに感謝し命をつなぐサイクルを作りたい。それによって農作物や林業被害の減少に役立てたい」との思いから、捕獲、なめし、加工、デザインまで一貫管理することでクオリティーの高いシカ革製品の普及に力を注ぐ。
(大竹清臣)
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林代表はもともと東京で看護師をしていたが、妻の出身地である北見市に引っ越したのをきっかけに、ジビエとして捕獲した命を大切に食す中で、害獣問題に関心を持つようになった。シカによる農業被害額は60億円近くあり、森林被害も深刻だ。害獣駆除されるシカは全国で58万頭以上(17年度)。そのうち有効活用されているのは7%に過ぎず、残りはゴミとして廃棄される。生命を無駄にしているだけでなく、処理に地方自治体が膨大な費用を支払っている現状を知った。