スタートトゥデイ業績、ゾゾ依存度高まる

2016/01/29 19:59 更新


 ファッションEC購買での「ゾゾタウン」依存度が高まっている。スタートトゥデイの16年度第3四半期(15年4~12月)累計の商品取扱高は1119億4100万円、前年同期比21・5%増となり、大幅に業容を伸ばした。広告・物流・人件費が増えたものの、営業利益は117億4400万円で10・3%増と2ケタ成長が続いている。

 商品取扱高は第1四半期22%増、第2四半期18%増で、第3四半期も24%増と継続した。特にゾゾタウン事業は30%超える伸張率で、12年3月期以来の高成長だ。

 好調要因は、ユーザーへのCRM(顧客関係管理)の精度向上、新規ユーザー獲得のための広告、ブランド単位の日替わりクーポン発行、同社スタッフによる商品レビュー強化、アプリ「ウェア」コーディネート経由売り上げ上昇、出店ブランドの在庫量増加など。継続課題から新規策まで全般が改善している。

 第3四半期段階で215が新規出店し、839店になった。「ABCマート」「ライトオン」「サマンサタバサ」など大型ブランドから新興まで多様なブランドが集まっている。同時に新規、既存店ともにゾゾタウンに商品在庫量を積み増すようになり、EC販路としてゾゾタウンを有効活用する傾向が強まってきた。

 成約率向上で効果を上げているのが商品レビュー。同社スタッフが売れ筋商品をコーディネート着用して、ユーザーが商品について知りたい着心地、サイズ感に細かくレビューを書いている。こうしたネット購入の障害を取り除く工夫で、当第3四半期だけのアクティブ会員1人当たりの年間購入金額は4万7140円(前年同期は4万3214円)、年間購入点数8・9(同7・6)と大きく数値を伸ばした。

 ユーザーの購買動向も変化。特にセール時期は店でも試着できない環境となるため、ネットでの購入に移行しているとし、「ゾゾタウン依存度」がブランド、ユーザーともじわじわと表れている。

 好調な中で、不安要素は平均出荷単価と商品単価の下落。第3四半期(10~12月)で見ると、それぞれ1万651円(前年同期比12・2%減)、5939円(12・5%減)。要因はセール比率拡大で、当3四半期は27%(15年3四半期24%)へと上昇した。

 11月に希望ブランド対象に先行セールを行ったためだが、「年末年始セールも好調なため、先食いはない」とし、日替わりクーポン自体も「ユーザー、ブランドからも好評」として継続していく。

 事業別の商品取扱高は、ゾゾタウン事業1013億円(27・7%増)、BtoB事業が106億円(16・8%減)。ゾゾタウン事業内訳は受託販売956億円(25・9%増)、買取販売5億円(4・4%増)、古着販売52億円(76・2%増)。

 通期(16年3月期)連結業績予想は変えていない。商品取扱高1682億円(前期比30・3%増)、うちゾゾタウン事業で1537億円(38%増)で、営業利益191億4000万円(26・9%増)、純利益125億2000万円(39・1%増)。商品取扱高目標達成には第4四半期52%伸びが必要と厳しいが、打つべき施策と販促で期初予想をめざす構え。



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