スタイレム瀧定大阪 「天然」「合繊」「意匠」をテーマにした生地展を原宿で開催

2025/08/27 06:26 更新NEW!


産地の技術が詰まったこだわりの生地を厳選した

 スタイレム瀧定大阪がテキスタイルの新たな展示会「創織展」を立ち上げた。原宿オフィスのコラボレーションラボで8月29日まで開いている。

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 企画したのは新規開拓や新規事業を仕掛けるマーケット開発部マーケット開発室。新規開拓する中で、こだわった生地を使いたい、オリジナル生地を開発したいという国内ブランドのニーズを感じていた。「取引先の協力を得て、アプローチしきれていなかったブランドと直接話せる機会が持てた。そうしたブランドの生地作りをお手伝いしたい」と8カ月以上かけて準備してきた。

 同社が在庫する約5000品番の中から「天然」「合繊」「意匠」をテーマに約250品番を厳選した。「産地の技術が詰まった作ることが困難な生地へのニーズが強い」と後加工で立体感や表情を出した生地や特殊加工を施した生地が多い。日本製を中心にイタリアの生地や中国の紡毛生地など売れ筋も揃う。

 反応が良かったのが、洗い加工などを施したシルクやウール、綿などの生地。経糸にシルク、緯糸にウールを使ったハリ、コシのある薄地やシルク・ナイロン、顔料コーティングしたウール100%を洗い加工した生地なども人気だ。新潟で織った綿100%生地を近江晒で仕上げるなど各産地の技術を融合した。「こんなこともできる、ということを表現したかった」と一見ビンテージジーンズに見えるが実はキュプラにインクジェットプリントをした生地や、デニムの前面にフロッキー加工し、洗う度に下からデニム地が浮かび上がってくる生地も作った。

 小塚毛織と共同出資で設立したカナーレ・ジャパンで作る生地も初めて見せた。「ションヘル織機ならではの味わい深さが大きな武器になる」と高密度のシルク混ウールや経糸に太番手のデニム糸を使った特殊な裂き織デニムを見せた。

小塚毛織と立ち上げたカナーレ・ジャパンで作るションヘル織機で織った生地もある

 来場社のニーズを聞きながら今後は企業やブランド独自の生地を別注で作る取り組みを進める。今回を皮切りに年1、2回のペースで同展を開く考え。



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