ブルックリン美術館で「スニーカーカルチャーの源流」展が始まった。
スニーカーの原点から今に至るまで、社会情勢や技術の進化、カルチャーの変遷をからめて総合的に検証した展覧会だ。トロントのベータシュー博物館で始まったもので、10月4日まで開催される。
入り口付近の展示。スター選手が履いたレア物やデザイン画の原画、リーボックの工場での工程を見せる動画などがある
展示されているスニーカーは、1860年代のものから現代まで約150点。スニーカーがつくられる工程を示す動画、スケッチの原画、50年代のテレビコマーシャルもある。
天井近くにはワイヤーがつけられて、いくつかのスニーカーが引っ掛けられている。ニューヨークのストリートで時折見かける光景だ。展覧会では、この引っ掛けは犯罪のようにみられることもあるけれど、大方は何かをお祝いする意思表示と説明されている。ニューヨークは、「スニーカーをカルチャー的アイコンにした街」としても位置づけられている。
上方にワイヤーが張られていて、スニーカーがいくつか引っ掛けられている
スニーカーという言葉が定着したのは19世紀終わりでそれまではさまざまな言葉が使われていたこと、1980年代以降は真っ白のスニーカーが権力やプレステージの象徴と見られるようになったことなど、さまざまな逸話も興味深い。
ラバーは元々扱いにくい素材だったが、1839年に開発された技術によって扱いやすくなり、1870年代にラバーの生産が拡大して買いやすい価格になったという。40年代に米軍のためにデザインされたスニーカーもあり、つくりが貧相で役に立たなかったことがコンバットブーツの開発につながったと紹介されている。
マイケル・ジョンソンが96年のアトランタオリンピックで履いたナイキのゴールドのスニーカー。オリンピック関係は、他もゴールドが多い
スター選手がらみのモデルは多い。こちらは、マイケル・ジョンソンが96年のアトランタオリンピックで金メダルをとったときに履いたナイキのゴールドのスニーカー。左足がサイズ10.5で、右はサイズ11という。
アディダスが海洋環境保護団体「パーリー・フォー・ジ・オーシャンズ」とコラボして、16年に発売するシューズのプロトタイプも展示されている。
今年発表になったこのモデル、店頭に並ぶのは来年だ
著名デザイナーのものでは、アディダスがリック・オウエンスやラフ・シモンズとそれぞれコラボしたスニーカー、クリスチャン・ルブタンのボートシューズも含まれている。日本のブランドではヴィスヴィム、オニツカ、アディダスY-3、アディダスとヨウジヤマモトのコラボシューズが取り上げられた。
底が赤くてゴールドのスパイクをびっしりつけたボートシューズが、クリスチャン・ルブタン
初めてのスニーカーとの出会いや、貧しかったけど必ずきれいにしておくからとねだって真っ白なスニーカーを買ってもらって一生懸命洗った思い出など、スニーカー愛好家たちによる逸話も掲示されている。
来場者が自分のスニーカーストーリーをカードに書き込んで貼れるボードも用意されている。そんな参加型の一面を取り入れたのも、スニーカーという多くの人の生活に溶け込んでいるアイテムを主役とした展覧会らしい。
自分のスニーカーストーリーをシェアするボードコーナー。色鉛筆なども用意されている
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッシ
ョンビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで
20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜
更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダム
に紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)