従来、「可愛い」より「セクシー」を好むとされてきたアメリカだが、コーチやケイトスペードはここ数シーズン、テーストが低年齢化している。
アメリカではミレニアルズが重要な客層となり、その次のジェネレーションZにも注目が広がり始めているから、若い人たちにウケるテーストにシフトする方向にあるのだろう。
その流れは、ファインジュエリーにまで広がっているようだ。ニューヨークの若手ジュエリーデザイナーで、昨年12月にアッパーイーストサイドに直営店をオープンしたアリソン・ルーはその好例。
ファインジュエリーだから、一見子供っぽいデザインでも値段は高い。それでも路面店を出し、日本でもH.P.フランスなどで好調に推移している。
デザイナーのアリソンは、生まれも育ちもニューヨーク。美術史を専攻していた大学時代、夏休みにファインジュエリーの会社で働いたのがファインジュエリーの世界に入るきっかけとなった。
ファッションジュエリーよりもスペシャル感があって、長く大事にもつファインジュエリーに惹かれたアリソン。4年前、24歳のときにブランドを立ちあげた。
アリソンルーのアイコン的デザインは絵文字。ファインジュエリーといっても、オーソドックスなデザインはすでにあるので、他にないファインジュエリーをつくりたかったという。
素材は14金にダイヤやルビーなどのプレシャスストーン、そしてハンドペイントのエナメルを使っている。顧客は25歳から35歳が中心で、1回の買い物に平均千ドル使うそうだ。
アリソンは、ジュエリーをコミュニケーションツールと捉えている。「愛している」というメッセージをさりげなく伝えるこの指輪は、大人でもつけられそうな可愛らしさがある。バレンタインデーにいいかも?
マッチ棒をアレンジしたようなこの指輪も、ウィットがきいて洒落ている。「私の心に火をつけて!」というメッセージを秘めているとみることもできるだろう。
スクリューをアレンジしたこの指輪は、「くたばれ」「ふざけるな」などの意味をもつ米語のスラング「Screw you.」を象徴している。これは、もらって嬉しい指輪ではないだろう。自分で買ってウケ狙いでつける、という感じではないだろうか。
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)