三菱地所リテールマネジメントが運営する南砂町スナモ(東京都江東区)は、14年10月~15年9月の売上高が187億7000万円となり、過去最高だった前年の売上高(184億円)をさらに上回った。10月以降も順調に伸びていることから、さらなる成長を目指す。
同施設は、08年9月の開業から7周年を迎え、地域密着の施策で支持を集めている。従業員満足(ES)を高めながら、常に館の鮮度とイメージを底上げし、着実に成長している。
毎年年間テーマを決めて館の活性化に取り組んでおり、7周年目のテーマは「FREE」(フリー)。「年齢や性別に関係なく楽しんでもらえる館づくりと、スタッフ全員が自分らしく過ごせる場や環境を創る、という意味を込めた」(藤代由紀子館長)という。
テナント間の連携による販促や、地域連携による独自の提案などに引き続き磨きをかける。周辺でマンション・住宅開発が進んでいることから、飲食店を軸に顧客開拓を進める。
14年10月以降、今年2月まで着実に売り上げを伸ばし、3月は前年の消費増税前の駆け込み需要の反動で売り上げ減となったが、年間を通して順調に伸びた。この間の営業活動の軸にしてきた地域密着の販促や顧客施策が奏功し、「地域にとって、なくてはならないSCとして確実に根を張った」ことが大きい。スーパーや家電、ユニクロなどの大型テナントの売り上げが全体の50%前後を占め、館全体の売り上げの基盤を作り、物販、飲食、サービスが上乗せする形が整った。
今夏に実施した来館者調査では女性が81%で、30~40代、60代以上の女性が圧倒的に多い。来館頻度は平均で月に5・8回。女性では高年齢層ほど平均来館回数が多くなり、60代以上では月7・7回に達する。毎日来場する人が全体の6%、週6回が5%と、1割が「ほぼ毎日」来館している。また職場や学校からの帰りに直接来館するケースでは「週5回」が12%を占め、平均回数も月8・9回になる。足元の江東区、江戸川区居住者の来館が多い。「満足度」は87・7%と高い結果が出た。
来館者調査の結果から、再来店時にも新鮮さを感じてもらえる施策が求められるとして、きめ細かなMDの見直しをはじめ、飽きさせないメニューの強化やイベント内容を充実させる。