パッチワークス 今春から「タナカダイスケ」 刺繍で描くファンタジーな世界

2021/04/19 10:59 更新


若い感性が反映された、強すぎないタッチに魅力がある

 パッチワークスは今春、デザイナーでエンブロイダリーアーティストの田中大資が手掛ける「タナカダイスケ」を立ち上げた。自社ECで受注販売を行っており、21年秋冬から催事販売もする予定だ。

 15年に大阪文化服装学院を卒業した田中は、学生時代から、刺繍やビーズを生かし、創造性にあふれる装飾を施した洋服を制作してきた。卒業後は、「ケイタマルヤマ」で経験を積み、アーティストやCM向けの衣装制作も行っている。フェミンでダークな一面も備え、かれんな表情をのぞかせるところに魅力がある。パッチワークスの長谷啓介社長は、田中がクリエーションに専念できる環境を整え、PRからECや展示販売会の運営、生産管理までビジネス業務を担う。

 21年秋冬は「桃源郷」をテーマに、懐かしさや哀愁、艶っぽさがないまぜとなった幻想的な世界を広げた。しわになりにくいポリステルを使ったハイネックプルオーバー(2万6000円)やコットンのシャツジャケット(4万3000円)の背中には、水墨画のような水辺の景色を刺繍で描く。クレープのドレス(8万9000円)に刺繍したススキの穂先からは糸が垂れて妖艶なムード。着飾るものを通して「ファンタジーな物作りを続けていくことが自分の成すべきことと考えています」と田中。ビーズのフリンジが連なった貝殻のブラ(6万円)、レースとともに雪を表現したチェーンベルト(6万6000円)などアクセサリーも揃う。

 4月上旬に行った受注会は、予想を大きく上回る集客・受注となって品切れとなったアイテムもあった。

墨流し作家との協業で制作したベルベットのコートもある


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