素材企業で、植物から抽出した天然色素で染める技術が広がっている。人気が継続する色物を、自然に優しいイメージで表現できるとして引き合いも多い。一方で、綿やウールを中心に、原料本来の色を生かした無染色の打ち出しも活発になっている。
(橋口侑佳)
植物で染めるというと、草木染がイメージされることが多い。植物の花や果実、根などを煮出した液に生地を浸して染め、水に溶かした金属などとの化学反応で色を固着・発色させる方法だ。1色を何十種類もで構成する天然色素は、奥行きのある色を放ち、古くから親しまれてきた。しかし、手間がかかり、同じ色を繰り返し出すことが難しい上、色落ちしやすい。このため現在、日本に流通する商品の大半は化学染料が使われている。
課題乗り越え開発
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