FBでもクラウドファンディング(古川富雄)

2014/03/18 12:10 更新


クラウドファンディングが注目されています。既にアメリカでは定着しているようですが、日本ではこれから。

簡単に言うと、ある目的のためにインターネットを使って不特定多数の人から資金を集める、直接金融の手段の一つです。たいていは一口の単位が数万円くらいと小さいので、だれでも出資でき、リスクも小さいことから多くの資金が集まるというものです。

よく使っているのが、アーティスト、クリエーターなどです。資金はないけど、才能やプランはある、こんな人たちを応援しようという側面があるのもクラウドファンディングの特徴です。

ちなみに、クラウド=群集、ファンディング=資金調達という意味で、ソーシャルファンディングとも言われます。

ファッション業界でもこうしたファンドを活用するケースが出ました。大阪のNFLという紳士服製造卸・小売の会社です。ここが「谷町復活スーツファンド」を使って、洋服のリフォーム店を開くという計画です。

谷町は日本を代表する紳士服の街ですが、企業数が大きく減りました。NFLの川辺社長によると大阪市の谷町に残っている紳士服工場は同社だけということです。リフォーム店で職人を養成し、本業の縫製工場のレベルを上げるという目的があります。さらには、谷町の紳士服つくりの文化や伝統を継承したいという思いも強くあります。

募集総額は1500万円で、2月下旬に受け付けを始めたら1週間たらずで、半分の750万円が集まったそうです。目標に届くのはほぼ確実ということです。一人当たりの出資は小額ですから、多くの人が応募したことになります。

オープンする前から、リフォーム店の存在や中身をアピールでき、オープン後は出資者が顧客になってくれる、というメリットが享受できます。最も、やはり資金を集めるには配当や特典が魅力的ということが欠かせないとのことです。※詳しくは繊研新聞3月17日付3面に詳しく書いています。

アメリカでは、クラウドファンディングでいろいろと問題も出ているようです。資金だけ集めて、消えてしまうとか。仕組みとしては優れているので、いい形で定着してくれればいいなあと思います。



古川富雄 大阪支社編集部長が、関西のファッションビジネス情報の周辺、裏を紹介



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