11月19日、大阪府吹田市に大型複合施設「エキスポシティ」がオープンしました。水族館「ニフレル」をはじめとする8つの大型施設、広域型SC「ららぽーとエキスポシティ」で構成されます。
ららぽーとエキスポシティは郊外SCには見られないハイクラスのブランドを入れたり、フードコートを含む飲食も上質感があります。どことなく雰囲気は西宮ガーデンズに似ています。
ガンダムスクエア
この巨大施設をどう見るか。個人的に2つのポイントがあると考えています。
一つは超広域から客が呼べるかという視点。関西全域はもちろん日本中から集めたいと開発担当者はいいます。その点で有利と思われるのが、70年大阪万博が開かれた場所であること。50代後半以上は、「エキスポ70」の体験者として熱気に包まれたかつての日本を思い出すでしょう。
太陽の塔
30、40代は遊園地エキスポランドで遊んだ記憶が残っている。いろいろな世代にとって、万博跡地は思い入れがあり、ノスタルジーをかきたてるはず。全国でもこんな場所はなかなかありません。これが超広域集客のバックになるか、見極めたいところです。
もう一つは、心配される周辺道路の渋滞。以前から渋滞が発生しやすいところなだけに、いっそう渋滞が激しくなり、一番の課題になると見る向きもあります。
ユナイテッドトウキョウ
水族館「ニフレル」
ところが渋滞するからあえて作ったという発想もあると思います。かつて神戸市垂水区にアウトレットモール開発の計画が出た際、私は担当者に聞きました。「なぜ神戸でも一番渋滞する場所に作るんですか」と。
すると、「渋滞するところだから作るんです」との答え。アウトレットモールは非日常空間ですから、消費者は渋滞は仕方がない、せっかく時間を掛けて来たから思い切り楽しもう、たくさん買おうという気になるということです。ですから、エキスポシティでは一人当たりの消費金額がどれだけになるか注目しています。
もっとも、渋滞があっても行きたいと思わせるコンテンツを提供し続けることが前提にはなりますが。
古川富雄 大阪支社編集部長が、関西のファッションビジネス情報の周辺、裏を紹介