東京のメンズブランドの26年春夏コレクションは、見慣れたアイテムを異なる形に置き換える発想の転換が目を引いた。ある時代やスタイルを象徴する要素を、トロンプルイユのように重ね合わせてオリジナリティーを出している。
(須田渉美)
【関連記事】東京メンズブランド26年春夏 職人の手仕事の技を生かす
今シーズン、韓国のセレクトショップで初の海外ショーを行った「セヴシグ」(長野剛識)は、95~96年のストリートカルチャーが色濃く反映されている。当時、10代半ばだったデザイナーの長野を魅了したスケートボード、ヒップホップ、ミクスチャーロックを象徴するファッションを再構築して見せた。ベルベットのレパード柄を模したプリント生地のシャツとハーフパンツのセットアップ、カラフルな配色に特徴のあったマウンテンパーカやトラックパンツ。古着を再現するのではなく、自身の記憶を元にグラフィカルなアレンジも加え、残像を感じさせながら現代のシルエットに落とし込む。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!