クラウド基金で下町の技術で撥水バッグ

2016/11/18 06:40 更新


 ニット製品などの企画販売のトマリ(高城貴幸代表、takagi@tomari-current.com)は職人技を活用し、東京の下町から日本を元気にするプロジェクトを立ち上げた。アイテムは超撥水(はっすい)加工×塩縮加工ナイロンのバッグ。クラウドファンディング(CF)で資金を集め、17年春からの販売を目指す。

 ブランド名は「コヨミ」。きっかけは東京都足立区で廃業する工場のベテラン職人と出会い、閉鎖の理由は後継者がいないためと知ったこと。若手への技術伝承、ファッションを通しての新しい価値創造、適正な価格での国産品販売、輸出をプロジェクトテーマにすることにした。ナイロンに塩縮加工を加えて独特な凹凸を出し、通気性もある超撥水加工にチャレンジしてきた。東京都台東区のバッグ用生地メーカーに協力を得た。

 代表アイテムはトート、メッセンジャー、クラッチになるスリーウェーバッグ。トートとしての使用時にはメッセンジャー用の金具が隠れるなど、細かいところまで気を使う。金具部分は、東京都葛飾区の研磨職人に使い込んだような加工を入れてもらう。「麻の撥水生地ってあまりないよね」という職人との会話から始めているのが、ジュートとコットンのコンビによる撥水生地。当初はリネンを使ったが、耐久性が低く、地球環境にも優しいジュートに行きついた。11月下旬の展示会でリリースする。

 11日からCFで出資者を募集したとところ、初日で目標金額50万円の30%を超えた。資金は生地の開発費と生地代金、試験データ費などに使う。高城代表は「日本製のシェアを増やし、日本製は高くないという新しい価値を創造したい」。

代表アイテムの3ウェーバッグ
代表アイテムの3ウェーバッグ

東京下町にある工場の職人の力を活用する



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