豊島は、繊維のトレーサビリティー(履歴管理)を提供する豪ファイバートレースの技術を活用し、ウールのトレーサビリティーを強化する。繊維に埋め込んだ顔料から繊維の出所や加工過程を追跡できるシステムを構築する。製品タグのQRコードを読み込むと専用サイトに飛び、原料から製品になるまでどのような工程を経て、どの企業が携わったかが確認できる。ウールは原毛の洗い加工段階でミネラルやセラミックなどを混ぜる。
洗い・紡績・染色・編立、織布・縫製の各工程で専用スキャナーをかざすと、専用ウェブシステム上でスタンプが付与される。そのスタンプがブロックチェーンで管理される。
判定用のピグメントが混ぜられた素材や製品に専用スキャナーを当てると、緑の光が点灯する。光の数は「濃度」を示し、ピグメントの混入率が低いと数は少なくなる。混入率がゼロの場合は青のランプが光る。
ファイバートレースがウールで本格的に取り組むのは日本で豊島が初めて。ザ・ウールマーク・カンパニーの協力。現段階は洗毛工場までだが、将来的に牧場までたどれるよう計画する。豊島は昨年、ニュージーランドのオリテインと産地検査でパートナーシップ契約を結び、トルコ産有機綿「トゥルーコットン」の履歴管理を強化した。次の天然素材としてウールに着目し、特に海外向けを想定して訴求する。