豊島、旭化成と「持続涼感素材」を開発 猛暑を快適にする提案充実

2025/07/29 06:29 更新NEW!


旭化成との「持続涼感素材」は今後、様々な素材で作る

 豊島は、旭化成と共同で「持続涼感素材」を新たに開発した。旭化成の先端技術「A-cubic」(エーキュービック)による特殊構造編み組織とスパンデックス「ロイカ」、豊島の独自素材を組み合わせ、優れた消臭機能や涼感などを兼ね備える。26年春夏展で初披露し、アパレルなど来場者の反応は良い。

 26年春夏展では、ロイカと、履歴管理が可能なトルコ産有機綿「トゥルーコットン」や親水性ナイロン冷却糸「オプティマクール」といった豊島の素材を使った生地や製品見本を見せた。エーキュービックの編み組織は通気性と速乾性が高く、透けにくいのが特徴で、ロイカは汗などの臭いを抑える機能もある。今後は、国内メーカーの素材も用いて生地を作る考えだ。

 展示会では他に、猛暑を快適に過ごすための素材を紹介した。気化熱冷却ポリエステル「エバークール」が、その一つ。汗が蒸発する際に周囲の熱を吸収して冷却効果をもたらす発想で開発した。リサイクルポリエステル100%で親水性に改質、繊維に翡翠(ひすい)を練り込んで接触涼感性を付与した。十字断面の糸で軽く、吸水速乾性も高めた。

 和紙をポリエステルフィラメントに巻き付けた和紙糸「ワガミ」は秋冬も人気で引き続き注目する。軽量で消臭効果や吸水速乾性、UV(紫外線)カット、接触冷感の機能がある。

「トゥルーコットン」と一年を通じて人気の「ワガミ」で作った製品見本


この記事に関連する記事