UAゼンセンは5月に大阪市内で繊維産業シンポジウム「挑戦する繊維産業~技術と創造力で生み出す新たな価値」を開いた。繊維産業で活躍する有識者が繊維業界の新たな展望について語った。
衣料技術の可能性
基調講演では福井経編興業社長の高木義秀氏が「衣料から医療への挑戦~下町ロケット2リアルガウディ計画」について話した。少子化や生産工場の海外移転で、地場産業は衰退する中、ニーズを模索。販路を広げるため海外の展示会に参加したが、海外企業との差別化が難しく成果にはつながらなかった。しかし、「シルクを編む技術が直径6ミリ以下の人工血管や成長に合わせて伸長する心臓、血管修復パッチの開発につながる。衣料の技術が子供たちを救う医療技術となった」と語り、衣料技術の可能性を強調。