傘選びもファッション感覚で――今年、百貨店の婦人傘売り場では色柄が売れている。例年はベージュや黒などベーシックな色が売れ筋だったが、パステルカラーや花柄、イラスト柄などが動いている。雨よけという機能だけでなく、顔映りやコーディネートを重視するお客が増えてきた。
そんな中、各百貨店は種類を豊富に揃えて、「雨の日を楽しく」感じてもらう催事を企画した。松屋銀座本店では梅雨時に50年以上続けている百傘会(ひゃくさんかい)を今年も開いている。吹き抜けスペースに160本の傘を展示し、傘やレインコートを販売する。今年は同百貨店のオリジナルから国内ブランド、ライセンス生産の傘など約3000本を揃えた。
中でもお客の反応が良かったのはインポートやデザイナーによる傘。「銀座という土地柄もあり、人とかぶらないような個性的なデザインを買い求めるお客が多い」。欧州ならではの豊かな色柄や、ハンドルの形などファッション性の高い傘が受けた。29日まで。
小田急百貨店新宿店では19日まで、レイニーデイズフェア「傘×美」を開催した。婦人服飾雑貨売り場の一角に従来のブランド別ではなく、色別に約50本の長傘を陳列したコーナーを開設した。傘を差した全身の姿や顔映りを確認できるよう、2メートル程の高さがある鏡も設置して「実際に傘を積極的に開くお客が増え、好評だった」。
SNS映えを意識し、ファッション感覚で傘選びをするお客が増えると予想して企画した。「これまでベージュや紺など合わせやすい色を選ぶお客が多かった」が、今年は販促の効果もあり、緑やピンクなどが売れ筋となった。「デザインがはっきりした傘を選ぶお客が増えている」といい、今後も傘の色柄の人気は続きそうだ。