新中期経営計画に基づき事業の選択と集中を進めるユニチカは27日、ビニロン繊維の生産停止とポリエステルスパンボンド不織布の生産設備増強を決めた。
ビニロン繊維は、兵庫県赤穂市の坂越事業所で生産してきたが、16年3月末をもって生産を停止する。生産能力は年産1万3000㌧。
50年に生産を開始して以来、合成繊維事業の主力製品の一つとして、衣料、建築・土木資材や産業資材に用途を広げてきた。しかし、欧州債務危機に伴い、欧州向けの販売が苦戦していた上、原燃料価格の高騰で、昨今は業績が低迷していた。
ポリエステルスパンボンド不織布は、アジア地域での供給体制強化、商品性能の高度化を目指し、タイでのスパンボンド不織布製造・販売を担うタイ・ユニチカ・スパンボンド(タスコ)の生産能力を年産4000㌧から1万㌧に引き上げる。
ユニチカグループ全体の生産能力は年産2万4000㌧から3万㌧に拡大する。投資額は約40億円で、17年4月から稼働する。
産業資材、生活資材、農業資材を中心に拡販し、生産拠点の愛知県の岡崎事業所、タスコはどちらもフル稼働が続いていた。