ユニチカトレーディングが白度高い豪州綿で細番手糸を開発 メーカーズシャツ鎌倉が製品販売

2022/03/29 06:26 更新


グローバルで販売開始した「プレミアム・ピュアホワイトシャツ」

 ユニチカトレーディングはオーストラリア産コットンを使った細番手糸を開発、メーカーズシャツ鎌倉の「プレミアム・ピュアホワイトシャツ」に採用された。3月28日から鎌倉シャツの国内店舗やEC、グローバルオンラインストア販売開始に合わせ、関係者が共同会見した。貞末奈名子メーカーズシャツ鎌倉社長は「豪州綿は世界一の天然の白さがあり、理想とする原綿。当社の主力商品として大切に育てていきたい」と話した。

 両社は15年に共同開発を開始している。ユニチカテキスタイル常盤工場が得意とする細番手の紡績技術を生かし、17年以降、インド産の超長綿「スビンゴールド」の単糸150番や400番の超細番手糸を使ったシャツを商品化、19年には第3弾として特殊複重層紡績糸「パルパー」を使ったイージーケアタイプを出し、ヒットしている。

 今回のプレミアム・ピュアホワイトシャツは白さにこだわった原料の選定からスタートし、「サステイナブル(持続可能な)で真っ白な豪州綿の存在を知り、商品化したいと考えた」(貞末社長)。

白度が高い豪州綿(左)。後工程の化学薬品の使用を抑えられる

 従来、シャツ用で使用してきた超長綿とは異なり、長綿でありながらシャツに適した細番手糸を常盤工場の紡績技術を生かして3年がかりで開発した。白度の高さによって後工程の環境負荷を抑えられるのも特徴で、「漂白剤や蛍光剤といったケミカルの使用を40%削減できた」(細田雅弘ユニチカトレーディング社長)。豪州綿をブレンドで使用したケースはあったが、100%は同社初。

 コットン・オーストラリアのアダム・ケイCEO(最高経営責任者)によると、「豪州綿はこの間、新市場開拓に注力し、今回の協業につながった。91年から環境負荷軽減に取り組み、20年前と比べて水使用量は半分、殺虫剤は95%減らし、面積あたりの生産効率も上げている」。

 シャツは紡績、生地、縫製まですべて日本製で、価格は6490円。ドビー生地のボタンダウンで、スリムとクラシックの2型。初回2000枚、4月にも2000枚を追加し、月4000枚ペースで販売していく計画。国内の実店舗、ECに加え、世界80カ国以上に販売している鎌倉シャツのグローバルオンラインストアで世界に販売し、特に「オーストラリアの人たちに豪州綿の良さを知ってほしい」という。

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