ドイツでは都市部を中心に、動物由来の成分を一切拒否するビーガン食がブームになりつつある。これに並行して、ビーガンファッションブランドも少しずつ増えている。
レディス・メンズの「ウマサン」(ベルリン)は、その中でも自称初のビーガン・ハイファッションブランド。オーガニックコットンのほか、リヨセルなど植物由来繊維で、シャツ、パンツ、スカート、ジャケット、コートまでトータルで揃える。
ブランドを手掛けるのはサンドラとアンニャ・ウマンの双子の姉妹。サンドラはビジュアルアートと写真を、アンニャはファッションデザインを大学で専攻した。10年に自分たちのビーガンとしてのライフタイルと持続可能性を求める倫理観に合った、単なるファッションを超えた世界を創造しようと、独自のブランドを立ち上げた。前年比30%増を超えるペースで成長しており、欧州のほか、米、中国の大都市約30店で販売されるまでになった。
本国ドイツでは今秋から、マヌファクトゥムという通販と店舗販売を柱にする高級ストアの品揃えに加わった。また、日本でも販売を本格化しようとエージェントを探している。
アンニャは過去パリと東京の大手ブランドでも仕事をした経験があり、「ヨウジヤマモト」のデザインチームで働いたこともある。きものから多くのインスピレーションを得て、コレクションには襟、衽(おくみ)を思わせる要素や、ひも使いが多く見られる。同時にドイツ的なストイックさや重厚感も。色は黒を中心としモノトーンが多い。(ライター・吉田恵子)