《視点》人に任せる

2018/06/20 05:55 更新


 「決断力と人に任せること」。ある経営者に「経営で最も大事なのは?」と質問した時に返ってきた答えだ。決断力は言うまでもないが、人に任せることの意味をさらに問うと「企業人で経営に携わることになった人間は、実績を残してきた人。つまり仕事はできたのだろうが、自分のやり方を後任に押し付けて、成長の芽を摘むことがよくある。口出しせず、任せないといけない」と説明してくれた。

 ビジネスパーソンであれば避けられない人事異動。そして、長年、結果を残してきた人間は、「自分だからこの仕事がうまくいっている」と勘違いしがち。「俺が俺が」と思いたい気持ちは分かるし、プライドを持つことも悪くないが、案外、後任の方がうまく進むケースが少なくない。

 人に任せることをせず、「自分ならこんなやり方で進めるのに」と前任者に説教されて嫌な思いをした人も多いはず。「俺が俺が」も場合によっては大切だが、基本は人に任せ、後任が何かに困って頼ってきた時だけ、話を聞いたり、アドバイスをする。そんなスタンスが大事だと思う。

(稲)




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