《視点》フィービー・チルドレン

2018/12/26 06:23 更新


 フィービー・ファイロが「セリーヌ」を退任したのが1月。表舞台から本人は姿を消したものの、さまざまな場面で気配を感じる1年だった。最近は〝フィービー・チルドレン〟の存在が大きい。セリーヌで彼女とともに働いた人たちが続々と脚光を浴びている。

 最初に注目されたのは、「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブディレクターに就任したダニエル・リー。12年からセリーヌのデザインディレクターを務めてきただけあって、先頃、発表したボッテガでの初コレクションは、想像以上にその美意識が反映されていた。セリーヌファンだった女性は「とりあえず着るものが見つかった」とほっとした表情。軽やかになった新生ボッテガの評価も高かった。

 「メゾン・キツネ」も数日前、新クリエイティブディレクターにセリーヌ出身者を迎えた。韓国出身でセントラル・セントマーチン美術大学卒のユニ・アン。最終経歴は「フィービー在任中のセリーヌ」だ。就任発表直後で彼女の実力は未知数だが、その経歴がニュース価値をぐっと高めた。

 フィービー・チルドレンはほかにもいる。ネームバリューがあり、売りにつながる可能性も高い。来年も引き続き、彼女の存在を感じ続けそう。

(規)



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