大型書店の児童書の書店員を取材した。今春の目立った動きとして、子供向けの性教育本の購買が一気に増えたそうだ。ジェンダー問題への社会的関心が高まる中で、性教育本が相次いで出版され、一種のムーブメントになっている。親世代が子供のころは性にまつわることがタブー視されていたため、気になってはいるがどうすればいいか分からないと考える親が買い求めているという。
性教育といっても、生殖にまつわる話だけではない。自分の体も相手の体も大切なもので、勝手に触ってはいけないという未就学児でも理解しやすい絵本もたくさん出ている。性的同意を紅茶に例えた海外アニメーションを学校で用いたりと、教材の選択肢も広がっている。
地域の学校で性教育を担当するある助産師は、「言葉選びにとても気をつけている」という。例えば「血で汚れた」ではなく「血がついた」と表現するなど、子供たちにバイアスがかからないように気を配る。
ファッション業界でも、ティーン向けのサニタリーショーツの開発が相次ぎ、性教育をコト企画として実施するところもある。サイト表現から接客にいたるまで、細やかな配慮が求められる。
(金)