市場では盆を過ぎる頃から初秋物を店頭に導入し始める。だが、まだまだ暑い夏が続いている。この暑さでは、店頭に秋物を並べても消費者の購買意欲は上がらない。
以前から気候では冬と春物の販売期間が短くなり、秋と特に夏のシーズンが長くなっている。春夏と秋冬で考えるシーズンMDが崩れ、長い夏に対応したMDを考える企業も増えている。今年、あるメーカーは初秋物の店頭投入を8月下旬から9月上旬に遅らせた。とても秋物が動く雰囲気ではないからだ。
だが、夏物を長く店頭で販売しても盛り上がらない。商品鮮度や付加価値が大事になっており、消費者は不必要な物は値下げしても買わない傾向が強まっているからだ。
一方で、先物商品が売れないわけでもない。春先に冬物のコート受注会で売り上げを作るショップもあるなど、「欲しいものは買う」傾向から、選べて魅力ある商品は時期に関係なく買う消費者も。だが、一般的な消費者はやはり気候の変化を受けて購買する傾向が強い。
一概に「MDを変えるべき」ではないが、ブランドの位置付けや対象ニーズを捉え、シーズンMDを再考する必要はあるようだ。
(伸)