和田メリヤス、親子で着られる新ブランド

2017/02/08 06:30 更新


 和歌山の丸編み生地メーカー、和田メリヤスは17年春夏からカジュアルウェアブランド「スウィッツル」をスタートした。自社の吊り編み機で編み立てたオリジナル綿生地を使った親子でも着られるベーシックで気持ち良い服。直営店だけでなく、小売店への卸販売やECでも販売する計画だ。

 同ブランドは親子をテーマに世代を超えて長く着続けられるシンプルなメンズ、レディスのカジュアル。17年春夏物では、凹凸感があり、ソフトな肌触りを特徴とするオリジナルの鹿の子裏毛を使ったヘンリーネックシャツ(1万1500、1万2000円)、立体的な袖付けのフリーダムスリーブシャツがある。18番手の綿を度詰めした吊り天じくリバーシブルのベーカーパンツ(1万7000、1万8000円)のほか、ヘビーオンスでもソフトな風合いのポケットTシャツ、カノコのポロシャツ、吊り裏毛のフルジップのパーカなどがある。生地の良さを生かすため、縫製仕様など細部までこだわっている。

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「工場が生き残るには自社ブランドが不可欠」和田社長

■ 手作りパーツで編み機改良

 同社は1957年に創業。自社工場には昔ながらの吊り編み機が約120台揃う。生産性を上げるため現場の職人が手作りのパーツで編み機を改良するなど工夫・研究を重ねてきた。20年近く前には工場を移転し、省エネ設備を導入した環境配慮型の工場を新築した。職人自作のマイクロコンピューターで制御されたボーダー柄をはじめ、「サンドイッチパイル」の開発、両面パイル・裏毛両面パイルも特許を取得している。

■ 直営店に加え卸販売も開始

 「産地の縮小は続いており、工場が生き残るには製品のファクトリーブランドで消費者に直接的に生地の良さを伝えることが不可欠」(和田安史社長)と強調する。自社の製品ブランドは以前からスタートしていたが、直販だけだった。

 今回のスウィッツルは和歌山の工場と東京の世田谷ものづくり学校内にあるショールーム兼ショップでの販売をはじめ、小売店への卸販売に向け合同展への出展なども予定する。



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