ザ・リアルリアルも参入!マンハッタンビンテージショー(杉本佳子)

2024/02/09 06:00 更新


 ビンテージの人気がますます高まっている。そうした中、ニューヨークでは、毎回約7千人の来場者で賑わうビンテージショッピングイベントがある。マンハッタンビンテージショーだ。2月2日から4日まで行われた冬展の出展社数は、新規20社を含む90社。場所はメトロポリタンパビリオン。入場料は当日支払いで1日25ドル、3日間で50ドル。早割、学割もあり、初日は開場1時間前には行列ができる。入場料を払ってまで来ているのだから、来ている人たちは買う気満々!売り込むディーラーたちの服装も楽しい。

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 マンハッタンビンテージショーが始まったのは2001年だ。そして2022年、別のショッピングイベントを2つ主催するショップ・エクストラオーディナリー・エンタープライズに経営権が移った。ショップ・エクストラオーディナリー・エンタープライズのオーナー、エイミー・アブラムスさん(写真)は、同社が主催する別のショッピングイベントとディーラーの多くがオーバーラップしていたことから買収したと説明する。以来、開催を年3回から4回、会期を2日間から3日間に増やし、アブラムスさんによると、年間の来場者数は5倍に増えた。16~17年前から出展しているという某ディーラーは、「エイミーが買収してから新しいお客がどんどん来ている。すごくいい」と顔をほころばせた。

エイミー・アブラムスさん

 そのマンハッタンビンテージショーが今回初めて、中古品販売プラットフォームのザ・リアルリアルとパートナーシップを結び、ザ・リアルリアルもブースを構えた。ザ・リアルリアルがこうした場に出展するのは初めてだ。


 ザ・リアルリアルのオーセンティフィケーター部門のディレクター、ドミニク・ハラス氏(写真)は、「マンハッタンビンテージショーはニューヨークのビンテージ業界で、長年コーナーストーン(重要な拠点)になっている。ザ・リアルリアルはラグジュアリーブランドの中古品で知られているが、ノーブランドの中古品も多くもっていることは知られていない。なので、より幅広いビンテージコミュニティーであるマンハッタンビンテージショーにアプローチした」と説明した。

ドミニク・ハラス氏

 ハラス氏にザ・リアルリアルの中心客層を聞くと、「Z世代」という答えが返ってきた。買いやすい値段であることとサステイナブルであることがその理由だが、サステイナブルであるのはゴミを増やさないという意味だけでなく、デザイン的にもサステイナブルだからだという。今のファッションに影響を与え続けているビンテージだから、長く着られることが想定される。そうした点も、Z世代を惹きつける一因になっている。

 ちなみにこの日ハラス氏が着ていたものはすべてヨウジヤマモトで、「毎日すべてヨウジヤマモト」なのだそう。なんと、ヨウジヤマモトを200点も持っているとか!21歳の弟さんが着る服も、すべてヨウジヤマモトだそうだ。ハラス氏は、マツダも好きで集めている。ザ・リアルリアルでもヨウジヤマモトとコムデギャルソンは人気だが、今一番人気があるのはティエリー・ミュグレー。2位はジャンポールゴルチェ、3位はジョンガリアーノで、ディオールのクリエイティブディレクターをしていた時のものと自らのブランドのと両方人気がある。

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89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ



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