親父との集会場
壁面の棚に様々な時代の外国の写真集と雑誌、民族楽器やアート作品に混じって、社長の似顔のベアブリックも。
ビームスの社長室に入ると、誰もが室内を見回してしまうはず。「こだわりのモノからキッチュなおもちゃまで、ごちゃっと集めた、ビームスの発想の源のような場所」と設楽洋社長は言います。
壁面に並ぶ蔵書の中で目を引くのは1930年代~1970年代までの「ヴォーグ」と「ハーパース・バザー」のコレクション。
設楽社長は1951年生まれで、「自分の生まれ年の前後20年間に発行されたモノを集めた」そうです。「このころにファッションや建築などモダンデザインがほぼ出来上がった」とのことで、自社のビジネスに使う資料でもあるそうです。
真ん中を占めるのが応接セット。
ミッドセンチュリー好きとのことで、ソファと椅子はウラジミール・ケイガン。社長自ら型紙を引いた特注です。湾曲したソファの形状に意味があり、「相手と正対せずに向き合えるので、堅くならずに話ができる」。打ち合わせも来客の応対も使うのはもっぱらこの応接セット。別に立派な執務机(ちなみにウォルト・ディズニーが使っていたのと同型)もありますが、「まったく使わない」のだとか。
ソファのある場所からだと壁が邪魔をして見えない位置には設楽社長の秘密のコーナー。
日本の雑誌や本が雑然と並び、机の上にも色んなモノが雑然と置かれています。曰く「一人っきりでいろいろ発想するための場所」とのこと。
在室中なら、社員がアポなしで会いに来ることもできる社長室は「親父(社長)との集会場みたいな場所」だそうです。新規事業のアイデアを直談判しにくるスタッフもいるそうですが、あまりに気軽に社員が来過ぎてしまうので、最近「アポなし面会の場合、リミットは5分」という新ルールを採用したそうです。
このページは2月6日付の繊研新聞6面 SenkenCommyunityに掲載しています。