22~24日に開催されたJFWインターナショナル・ファッション・フェア(JFW‐IFF)では、国産による質の高い物作りに、高感度のデザインが備わった商品が数多く出品された。円安によって海外生産コストが上昇する中、“おしゃれな国産品”への注目度が高まっている。
■児島発ヨーロピアン
倉敷市児島のデニムアパレルメーカー、ニイヨンイチのオリジナルブランド「デニトリップ」は、ヨーロッパテイストの“抜け感”を表現したデイリーウエアをミリタリーやワーク調のデザインで打ち出す。トリコット調布帛を使用したバナナシルエットのイージーパンツ(1万5000円)はタイトシルエットのクロップト丈。ワンウオッシュ仕上げでリラックスした質感を表現した。
ロープ先染め糸を使った細やかな織り柄のインディゴ・ワッフル生地のジャケット(予定価格2万円)は、バイオストーンウオッシュを施し、ナチュラルな色落ち感をもつ。一方、13・5オンスのカラーセルビッジデニムを使用したパンツ(1万7000円)は硫化染料で色付けしてチープシックなイメージを表現している。
■上質ベーシック
コロネットが販売する国産品を主力としたレディスブランド「アバティ」はインポートショップやセレクトショップ向けの「上質でベーシック、シンプルなデザイン」が特徴。カシミヤ・シルク混で透け感のあるダイヤ柄編み地のカーディガン(9万8000円)は軽やかな着心地。コットン・ポリエステル複合で薄地高密度織りの生地を使ったステンカラーコート(7万9000円)は撥水加工を施し、鮮やかなグリーン、ピンクを揃える。極細番手強撚糸使いで綿100%のカットソー(2万6000円)は毎シーズン素材感とパターンを変えながら販売する。
同社は「円安は国産品にとって追い風。上質な国産品の良さを打ち出して、市場拡大を進めていきたい」としている。
■緻密な柄の価値
京都発のレースメーカー、西村レースは14年春夏から30~40歳代をメーンターゲットとしたオリジナルレディスブランド「シュシュ」をスタート。同社が得意とする、綿などの天然素材を生かした緻密な意匠のレースによる商品を販売する。
国産品ならではの細やかな柄と、しなやかなドレープ性を発現するレース生地を使用し「大人可愛い、ナチュラルなテイスト」を表現する。トップアイテムは9800円から1万4800円。ワンピース、チュニックで1万2800~1万9800円。同社は「自社ブランドを立ち上げて百貨店、専門店分野での販売を広げたい。別注も基本ロットで60着程から対応したい」としている。
写真=シンプルで上質な国産品で特徴を出す「アバティ」
(2014/01/29 繊研新聞)