「シアタープロダクツ」(武内昭、藤原美和)が都内で15~16年秋冬物のプレゼンテーションを行った。会場のホールに入ると、鏡面のタイルの上にラタンチェアやランプシェード、ウサギのぬいぐるみ型ポーチなどが飾られている。その中のフロッキープリントしたグラスやスエットトップなどは、ショー後にオークションで購入者を受け付けるという仕掛けだ。
生バンドの演奏とともにショーが始まると、詰めかけたファンをかき分けるようにしてフロアをモデルが歩いてくる。着ているのはベロアや独「シュタイフ」のフェイクファー、ケーブルニットなど、柔らかなタッチの素材をポイントにしたレディーなスタイル。ブランドらしいレトロシックなムードをベースに、大きなイヌの柄のプリントやクラッチに付けた大きなハートのチャームなどで、キッチュな気分も加える。
すてきな商品が多かっただけに、現場が混雑しすぎていて見づらかったのが残念。「誰に何を伝えたいのか」といったことがやや消化不良な印象。(五十君花実、写真=加茂ヒロユキ)