17~18年秋冬のレディス、ミセス市場は、色が鍵になりそうだ。様々なグリーン、ワインやバーガンディー、パープル、ピンク系、オレンジからテラコッタ、そしてイエローとグレーの組み合わせ。どれもプルミエール・ヴィジョンやデザイナーコレクションの注目カラー。展示会ではこうした新鮮な色物に受注が多く、黒は逆に人気がない。今春夏の現物でも店頭で足りないからと、赤など色物を追加で仕入れる店があるという。
(赤間りか)
■ニットもプリントも
先にヤング~30代市場で売れたテラコッタやピンク系を取り入れているブランドが多いが、秋冬で新鮮なのはグリーンだ。絵の具のチューブから出したままのような濃く鮮やかなグリーンが多い。
「ビリジアンレイヤード」を9月商品のテーマにしているのはキング「セシカ」のカジュアルライン、「セシカブルー」。ニットアイテムからプリント物、チェックまでビリジアンを取り入れ、それぞれを丈やボリューム変化のレイヤードで提案している。
ビリジアンのハイゲージニットはそれだけで新しい雰囲気。コクーンシルエットに膨らんだ袖のカーディガン、大きめシルエットのプルオーバーなどがあり、プリントワンピースと合わせて見せている。10月はパープル×グリーン、パウダーオレンジ×ネイビーが中心。
エレガントなセシカベーシックも含め、全体にDカンのベルト使いやラップ風に見えるデザインが目立つ。セシカベーシックでは、ジャンパースカートとして着られるワンピース“ジャンドレ”が押し。
「セシカ」セーター2万2000円、中のプルオーバー1万9000円
「セシカ」カーディガン2万9000円、プリントプルオーバー3万2000円
スプレッドの「ケイコ・スズキコレクション」はグリーン、ピンクを使ったアイテムが展示会で人気だった。特に動きが目立ったのがウールコートで、グリーン×ピンクのモヘヤのチェック、ブルーとイエローのシャギーのタイプがよかった。もう少し無難な色の組み合わせもあるが、予想に反してこうした色が好まれ、黒系は今回は受注が少ない。
ウールコートは昨年は企画を減らしたが、今年は力を入れており、110センチ丈などのロングが新しい。他のアイテムでも淡いピンク、ピンクを入れたフロッキープリントものなどがある。
「ケイコ・スズキコレクション」コート6万8000円
「ケイコ・スズキコレクション」コート7万5000円
■イエロー×グレーの柄物
若い世代のブランドでは見ないが、40代以上に向けた多くのブランドが取り入れているのがイエロー×グレーの柄物だ。花柄、迷彩、太ストライプなどでこの色合わせが目立つ。
セラビの「クオリー」はイエロー×グレー×オフホワイトのブークレのコートや、ニットに花柄プリントのセーターを企画。そのコーディネートで都会的に見せる。ちょっと渋めの赤×ネイビー×チャコールグレーのシリーズもあり、どちらか好みで選べるような提案だ。
ほかに、これも秋冬トレンドであるグレンチェックとヘリンボーンとタータン風チェックなど英国調の柄を切り替えたプルオーバーなどもある。