【ミラノ=小笠原拓郎】20年春夏ミラノ・メンズコレクションは、ラスティックなムードを背景にした飾らないスタイルが広がった。カーキやオリーブ、サンド、ブラウンといったナチュラルカラーを軸にリネンやコットンのざっくりした風合いを生かしたアイテムが揃う。
(写真=大原広和)
【関連記事】20年春夏ミラノ・メンズコレクション 鮮やかな色で見せる
フェンディはラスティックで飾らないムードとラグジュアリーな素材感を組み合わせてみせた。ショー会場となったのは、朝の日差しが緑を照らす公園。そこに登場するのはオリーブグリーンやカーキ、ブラウンのナチュラルカラーのスタイル。オリーブグリーンのコンビネゾンのモデルがバスケットを手に現れ、レインコートやカーゴパンツのモデルが続く。
足元はラバーがかぶせられたブーツ。ガーデナーのような帽子とともにリラックスしたムードを運んでくる。レトロプリントを薄く透ける生地にのせ、シャツにオーバーシャツとして重ねたり、パンツにオーバートラウザーとして重ねたり。手に持ったジョウロにも上品なレザーのカバーがされる。
ストローハット、ラフィアを切り替えたブルゾンやバッグ、あらゆるアイテムにナチュラルな雰囲気が漂う。パイソンレザーやファーアイテムはラグジュアリーだが、これ見よがしではなくどこかイノセントなムードにまとめられた。
ディースクエアードは、シノワズリのモチーフを取り入れながら軽快なラインに仕上げた。トラのプリント、アジアンフラワー、ブルースリーのプリント、ディースクエアードのカジュアルなストリートスタイルに様々な中国のエッセンスがのせられる。
箔(はく)ゴールドのブルゾンやコンビネゾンに箔レザーを取り入れてパッチワークしたブルゾンやドレスも揃う。面白いのはアンダーウェアのボクサーパンツの中にトップをタックインして着るスタイル。ハイウエストのアンダーウェアが丸見え状態なのだが、これが新しい提案らしい。ピッティのショーでもこれに似た着方を見たが、腹巻きのようにアンダーウェアを見せるコーディネートはどれくらい広がるのだろうか。

【続きは繊研電子版で】