COLUMN from JFW-IFF 事務局長
アメリカのSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。1作目の舞台設定は制作された1985年の30年前でしたが、2作目で描かれたのは30年先の未来、つまり今年中に企画される2015年なのです。
映画の中では、ガソリン以外の燃料で動く自動車が空を飛び、ウエアラブルコンピューターやAR(拡張現実)が描かれ、ファッションでは乾燥機付きウエアやサイズ自動調整ジャケット、GPS機能付きシューズが登場していました。30年前に予測したことで今日、実現しているものは数多いのです。"未来"は決して遠い先のことではないのです。昨年には、古着を投入すると素材が再生されて新品が出てくる家庭用の3Dプリンターが2050年までに出てくると発表した研究者がいました。ファッションの未来が広がる発案です。
FB(ファッションビジネス)ははたして成熟産業でしょうか。ともすると、速い時代の移り変わりや、増税、景気・株価などの環境要因の中で目線は近視眼的に陥り、悲観的に考えてしまいますが、どれだけ価格やコストを追求しても、その中から「新しいモノ」「ワクワクドキドキする提案」が生まれる可能性は低いでしょう。事業においても「来年のことは見えにくいが、10年後を考えると(企業の方向性は)判断できる」と話す経営者がいます。
ときに目線を未来に向けて今を考えてみましょう。今7月展で、バックトゥザフューチャーが描いた2015年のように、今から30年先につながる提案が揃うならば、ファッションが本来持っている楽しさが会場内に満ち溢れるはずです。(2014/02/19、展示会のお知らせのコラムより)