アダストリアは23～24年秋冬、自社開発素材を使った商品でヒットが生まれた。独自技術を使って原料にも配慮し、軽量や保温性、手入れの簡単さなどを売りにした素材が好評だ。様々なブランドで、シルエットや丈感、グラフィックでデザイン性も加えたアウターやプルオーバーが売れた。
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ふっくらとした「エアサーマル」は、「軽量・バルキー・暖かさ」を備えたポリエステル100％の中わた素材。羽毛のように軽やかな中空繊維で暖かい空気を閉じ込め、熱遮断効果を発揮する。原料の30％に再生素材「レニュー」（伊藤忠商事）を使っている。生産枚数は累計85万枚で、100型以上の採用実績がある。特にレディスで人気だ。
「ニコアンド」はマルチウェーで着られるキルティングジャケット（税込み8800円）を作った。素材がマットな面と光沢のある面とを裏返して着られ、袖やフードも取り外しできる。ゆったりとしたシルエットで女性らしい雰囲気に仕上げた。
「グローバルワーク」は毎年定評がある、撥水（はっすい）性を付加したブルゾン（1万1990円）を出した。着用シーンに合わせてフードも取れる。「スタディオクリップ」は裾を絞ったり、高めに設定した襟を開いたり立てたりと様々に着回せるコート（8800円）が良かった。
「毛玉ができにくいと、客の評価が非常に高い」というニット「ラクリル」にも注目だ。アクリルを使い、原料の選定と特殊紡績、強撚糸使いで毛玉が発生しづらく、発生しても落ちやすいようにした。家庭洗濯もできる。
柔らかく、滑らかな風合いを生かし、きれいなニットプルオーバーを揃えた。グローバルワークはチュニック丈で、サイドにスリットを入れてすっきりと見せた。「レプシィム」は首元と裾、袖をリブにし、肌なじみの良いアイボリーやベーシックな黒、鮮やかな赤やブルーミントと色を豊富にした。「エルーラ」は昨年好評だったため、今秋冬も販売した。お尻まで隠れる着丈で体形をカバーし、サイドのスリットなどディテールを工夫し、一枚で映えるようにした。
「ベイフロー」は「ピーナッツ」と協業したニットアイテムでラクリルを採用した。ハイゲージでジャージーのような感覚で着られるプルオーバーを作った。6色あり、キャラクターのジャカード柄がポイントだ。オーバーシルエットで男女兼用で着られる。
