アダストリアの「ローリーズファーム」の上期(25年3~8月)売上高は、前年同期比7%増の121億2300万円となり、上期で過去最高水準となった。ガーリーテイストに加え、きれいめやモードテイストの服も増やし、キャラクターとの協業企画を行ったことで新規客が増えた。
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92年にスタート。フリルやレースがついた商品が主力で、可愛らしい服を好む20~30代の女性客が多い。8月末時点の店舗数は126。郊外のSCや都心のファッションビルに出店している。アダストリアのブランドの中でも知名度は高いが、前年踏襲型のMDからの脱却が遅れ、コロナ禍以降は苦戦し、立て直しに着手していた。
「今求められるカワイイは、大人っぽさやかっこよさも感じられるスタイルと考え、コーディネートが楽しめる商品を増やし、セット率向上を図った」(中西亮太ローリーズファーム営業部部長)。25年春夏はカットソー製品に偏っていた構成を見直し、半袖ジャケットや光沢のある生地のサロペットなど、コーディネートを大人っぽくまとめる役割を果たすアイテムを増やした。

POP(店頭広告)やECのビジュアルも刷新した。MDに合うモデルを起用し、コーディネートのコツが伝わりやすい画像を増やした。これらの施策により、入店客数が増え、EC売り上げも伸びた。協業商品も「ハローキティ」の雑貨などが人気となり、服の販売が伸び悩む暑い時期の売り上げを支えた。
今後はコーディネート投稿機能「スタッフボード」で人気の販売員が企画した商品を拡充し、顧客を囲い込む。25年5月に始めた販売員企画「モア・ミー」の商品の型数と幅を広げる。