アディダス 海洋廃棄プラスチックのシューズ発売

2017/05/10 06:28 更新


 スポーツ用品大手、独アディダスは10日、海洋廃棄プラスチックを再利用し製造した新作ランニングシューズを発売する。海洋環境保護組織、パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(パーレイ)の協力で回収した廃棄プラスチックのリサイクル材「パーレイ・オーシャン・プラスチック」を、アッパーのニット素材として使っている。レースやヒール部などにもリサイクル材を使う。

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 廃棄プラスチックのリサイクル材を採用するのは、「アディダス」ブランドのランニングシューズ、ウルトラブースト・パーレイとパーレイ・ウルトラブーストX、ウルトラブーストアンケイジド・パーレイの3モデル。いずれもアッパーは海をイメージさせる深い青色にした。

 アディダスグループは15年にパーレイとパートナーシップを公式に結び、直営店でのプラスチック製レジ袋の廃止や、ボディーケア製品でのマイクロプラスチックの使用中止などに取り組んできた。16年11月には海洋廃棄プラスチックのリサイクル材を使ったランニングシューズを数量限定で発売。水着やトレーニングウェアも商品化した。

 同社でグローバルブランドを統括するエリック・リッキー氏は、プラスチック原料をサプライチェーンから排除することを目標に、「17年は海洋廃棄プラスチックを使ったシューズを100万足製造する計画」と話す。

 同時に、プラスチックの代替素材を使った製品開発も強化する。16年11月には、提携関係にあるバイオテクノロジー企業アムジルク(独ミュンヘン)が開発した「バイオスチール」を素材とする、コンセプトシューズを発表。バイオスチールは人工のクモの糸を素材とした繊維で、生分解が可能な上に、従来の合成繊維よりも15%ほど軽い。

■1~3月、16%増収

 アディダスグループの第1四半期(17年1~3月)業績は、売上高が前年同期比16%増(為替調整後)の56億7000万 ユーロ 、営業利益が同29%増の6億3000万 ユーロ 、純利益が同30%増の4億6000万 ユーロ だった。地域別ではロシアを除くほぼ全ての地域で増収となった。昨年に続き著しい成長をみせているのは北米で、売上は33%増の10億 ユーロ だった。中国(30%増)と日本(21%増)がこれに続いた。

 カテゴリー別ではライフスタイル分野の「アディダス・オリジナルス」と「アディダス・ネオ」、パフォーマンス分野ではランニングとアウトドアの好調が目立った。18%増収の「アディダス」には及ばないが、伸び率の停滞が報じられてきた「リーボック」は13%の増収となった。アディダスグループは17年、通期で10%超の売り上げ増が目標。

(ライター・吉田恵子)

ウルトラブースト・パーレイとパーレイ・ウルトラブーストX、ウルトラブーストアンケイジド・パーレイの3モデルを出す




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