伊アニェッリ家  エルメス傘下の「シャン・シャ」に出資

2020/12/11 10:50 更新


 【パリ=松井孝予通信員】フィアットやフェラーリを所有するイタリアの名門財閥一族アニェッリ家の持ち株会社エクソールが、仏エルメス・インターナショナルが所有する中国ブランド「シャン・シャ」に、8000万ユーロ出資することが明らかになった。第三者割当増資の引き受けにより、今年末にはエクソールは同ブランドの大株主となる。エルメスと、シャン・シャのジャン・チョン・アーCEO(最高経営責任者)兼アーティスティックディレクターは引き続き株主としてとどまる。

 エルメスは10年に中国でシャン・シャを創設した。中国の伝統技術を現代のクリエイションに生かしたラグジュアリーなライフスタイルブランドで、中国で8店、パリに1店を構え、21年にはシンガポールと台湾への進出を予定している。19年の売上高は前年比60%増の2000万ユーロ。まだ採算はとれていない。

 エルメスはコロナ禍の厳しい状況の中で、シャン・シャのグローバル戦略としてエクソール(推定資産270億ドル)のような強力なパートナーが必要と判断したと考えられる。

 エクソールのジョン・エルカン会長兼CEOは、「ラグジュアリーブランドを国際的に発展させた私たちの経験をシャン・シャに生かせることをうれしく思う」と語った。また、エルメスのアクセル・デュマCEOは、「エクソールと共に分かち合ってきた長きにわたるファミリー企業の文化を礎に、シャン・シャの新たな成功を築くことができるだろう」とした。



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