オールズ 「動くショールーム」 軽トラ活用し、どこでも販売

2021/12/08 06:25 更新


めったに見ることができないフクロウに重ねて、「RARELY SEE OWLS(レアリーシーオウルズ)」と名付けた移動販売車。長さ約3.4メートル×幅1.5メートルの店内には試着室も設ける

 軽トラックを移動式ブティックに変えて製品を販売しているユニセックスブランド「オールズ」が、販売先となる出張拠点数を増やしている。イベントスペースやカフェ、マルシェ会場などに赴き、製品を販売。22年は北陸や関西などへもキャラバンし、「動くショールーム」として営業活動にも生かす。

 オールズは17年に誕生したウェアブランド。衣食住をトータル提案する店舗販売に長く携わる清田良氏が、代表兼デザイナーを務める。袖裏や襟裏にデニムを使ったり、隠しボタンダウンの仕様を採用したりと、シンプルなシャツに見えても、ちょっとしたこだわりと遊び心を入れているのが特徴で、個性を表現したい中高年にはうってつけのきれいめカジュアルだ。

 これまで直営のオンラインストアとセレクトショップへの卸売りが中心だったが、今年から軽トラックの荷台をブティックに改造した移動ブティック「レアリーシーオウルズ」による販売を本格化。これまで事務所のある横浜近隣から出張先を開拓し、1カ月あたり2~3日を移動販売車での営業日にあててきた。今後は出張先をさらに広げ、週末を中心に1カ月15日程度を移動販売車による販売日とする方針だ。

 移動販売車によるセールスを提案した、同社顧問でブランドクリエイターの井上喜充氏は、「インポート品の匂いを持ちながら、大量生産品には無いデザイン性があり、移動できるため色々な販売の仕方を提案できるのがオールズの強み。駐車場を持つセレクトショップの場所を借りることができれば、空きスペースを有効活用しながら、リスクなくお客様への提案の幅を広げることができる」と話す。今後、優良顧客を抱え、地方で生き残っている有力セレクトショップにもアプローチし、さらに需要を掘り起こす計画だ。

 この間の販売で課題も見えてきた。出張先で客側から「どこで見ることができるか」を聞かれることが多かったため、今後はなるべく同じ場所で継続出店することを検討している。また、客がより手に取りやすくするため、移動販売車で提案する服については視認性の高いプリント物を増やし、22年春夏物からは価格も従来の半分に下げ、例えばTシャツも現行の1万円中心から5000円程度に引き下げる。

 当面、ブランド売り上げ1000万円を目指し、うち6割を移動販売車などによる直販で構成したい考えだ。

移動販売車を発案した井上氏(右)とデザイナーの清田氏



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