シンプルvsデザイン、米カジュアル展

2015/09/16 06:21 更新


 8月中旬にラスベガスで行われた米カジュアル展の16年春夏提案は、シンプル、べーシックスタイルが主流の中、デザインや加工で個性を出す動きも出ていた。ベーシックアイテムにひと手間の遊びを加えたブランドに人が集まった。(疋田優)

 プロジェクト、プールショー、リバティフェアーズ、アジェンダ、カプセルの主要5展の中で、一番にぎわいがあったのがリバティフェアーズ。約2割が新規ブランドだが、全体的にベーシックな上質アメカジ系が目立った。

スタジオ189
スタジオ189

 「スタジオ189」はガーナ発レディス・メンズブランド。2回目の出展で、今回は民族伝統衣装のブーブを今の感覚に合わせて、モダンに仕上げた。インディゴ染めの柄は独特で個性的。ジャケット325㌦。米女優のオザリオ・ダウソンさんがデザインに関わっている。

 

フリーノート
フリーノート

 「フリーノート」はロサンゼルス生産のアメカジメンズ。2年前にスタートし、高品質で息の長いブランドとして育成している。デニム、布帛シャツ、チノは専用工場で生産するため、商品の面構えがいい。ジーンズ220~260㌦。

 

サティヤチュエナ
サティヤチュエナ

 ニューヨークのハットブランド「サティア・トゥエナ」は、ハットの年代物を現代風にアレンジする。13年にデザイナーの母親ががんになり、帽子が必要になって始めたという。ユニセックスで使え、タトゥーアートも入れられる。275~375㌦。

 


 プロジェクト展では「テンツ」「ワークルーム」「カルフォルニアライフスタイル」といったコーナーで、トレンドや機能性、独自性のあるブランドがくくられていた。ただ、現代的なにおいのある商品はあるが、新トレンドの芽はあまり見られなかった。

 

シングシング
シングシング

 西海岸のリラックスやストリートスタイルを表現したブランドが少ない中で、カルフォルニアライフスタイルコーナーのニュージーランド発「シングシング」は注目。スポーツとストリートミックスをコンセプトに、スポーティーな2本線をプリントしたり飾りに入れたりと、ディテールで遊ぶ。パンツはシンプルな細身シルエットに2本線の遊びを入れる。97㌦。レディスもある。

 

アクティブカシミア
アクティブカシミア

 ワークルームでは、ダンロイの「アクティブカシミア」が、編みで撥水(はっすい)機能を実現したニットを見せた。糸や製品での薬品加工ではなく、温度調整して編むと撥水機能が生まれるというエコ製品。ニューヨーク拠点、生産はスコットランド。ニットトップ400~500㌦。

 

ダスブーム
ダスブーム

 オーガニックボディーケア「ダスブーム」は、無数の穴に石鹸(せっけん)粒を詰めたボディー洗い用のスポンジを開発し、披露した。ロサンゼルスで生産。毎日使って約3週間持つ。22㌦。フレグランス名に京都などの都市名を付けているのがユニーク。

 

ブルーキックス
ブルーキックス

 このほか、「ブルーキックス」はビーチをコンセプトにしたシューズ。ソールにワンポイントデザインしているのが特徴で、見えない所に遊びを盛り込む。デザイナーは元インテリアデザイナーで、「(最近の市場は)シンプル、単調ばかりで面白みがない」と、海イメージのデザインにフォーカスした。スリッポン58㌦。
(すべて米国小売価格)



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事