アパレルパーツ企業 衣料市場の景況は半数超が「悪い」

2018/06/22 06:27 更新


 アパレルパーツ企業を対象に繊研新聞社が実施したアンケート調査で、国内衣料品市場の景況感についての設問に16社から回答があり、18年(1~5月)の景況感が前年に比べて「良くなっている」が3社、「変わらず良い」が2社、「変わらず良くない」が8社、「悪くなっている」が3社だった。良くないとする企業が大半を占めた。

 「価格重視の物作りが止まらず、海外現地での付属品の手配や縫製工場任せになり、付属へのこだわりも薄くなっている」という指摘が目立った。海外での手配が進むなかで現地メーカーとの競合も激しさを増す。一方で「ある程度小売価格の高い製品の生産枚数が増えている」傾向もあり、付加価値のある提案や新規先へのアプローチがこれまで以上に重要になる。

 18年の今後の見通しについては「良くなる」3社、「変わらない」11社、「悪くなる」2社で景況感はほぼ同じ。価格訴求ではない、こだわりのある服へのシフトもあるが、「多品種・小ロット化がより進む」ため、収益を圧迫する要因ともなりかねない。

 一方で、「昨年重衣料が動いて在庫が減り、生産枚数は現状維持か増産が見込める」のは追い風だ。「2~4月期は12.4%増収」という伊豆義は「東京五輪・パラリンピックに向けた別注やユニフォームの在庫積み増し」が寄与。19年に控える消費増税前の駆け込みや、五輪関連、インバウンド(訪日外国人)などの需要も期待できそうだ。ヴェストは「ICタグや下げ札の受注が順調。デザインや素早い対応、付加価値の高い提案で需要をつかんだ」。国内の不振を補うには、海外市場の拡大も欠かせなくなっている。



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