《解説》日本の物作りを支える外国人技能実習生 「特定技能」への期待と不安

2024/04/27 06:28 更新


物作りを外国人技能実習生が支えている国内工場は多い

 政府は3月29日、特定技能制度の対象分野拡大などについて閣議決定した。繊維業界にとって大きな点は、特定技能における工業製品製造業分野の新たな業務区分として「縫製」と「紡織製品製造」が追加されたことだ。

(名古屋編集部=森田雄也)

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■「切望していた」

 特に縫製業は外国人技能実習生の力を借りながら、運営をしてきた工場も少なくない。中でも、岐阜の縫製業は全国的に見ても技能実習生の比率が高いと言われている。実際記者が取材してきた縫製工場では、社長をはじめとする経営者とその家族、パートで働く日本人を除くとほとんどの縫製工員が技能実習生というケースが珍しくなかった。

 岐阜県既製服縫製工業組合(野呂誠理事長)による日本人技術者を養成する「プロフェッショナルミシンオペレーター育成講座」など、日本人技術者育成に向けて動いてはいる。それでも技能実習生に物作りを支えてもらっている部分はいまだ大きいのが現状だ。

 技能実習1~3号の期間を終えた後、在留資格「特定技能1号」になると1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新が通算上限5年まで可能になる。技能実習期間が最大5年とすると、特定技能1号の5年を合わせ、現時点で最長10年日本で働けることになる。「(技能実習を終えて)帰国しているが、『また日本で働きたい』と言ってくれている元実習生が現地にたくさんいる」と複数の工場の経営者が話す。

 縫製の技術力に加え、人柄もよく分かり、労働環境、日本の文化についても理解をしてくれている即戦力が、再び働いてくれるのは工場にとって非常に心強いだろう。

 技能実習生の受け入れ企業を監督する一般監理団体、MSI協同組合代表理事であり、縫製工場のアイエスジェイエンタープライズを営む井川貴裕社長は、縫製の特定技能追加に向けて、数年前から声を上げてきた1人だ。署名活動を行い、政府や関係団体に声をかけ続けてきた。今回の閣議決定を受け、井川社長が「この時を切望していた」というのは十分に理解出来る。

■注目は「2号」

 今後、特定技能1号は順次施行されていくとみられるが、この先注目されるのが、「特定技能2号」に設定されるかどうかだ。

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