アシックス 取引工場の9割以上が再生可能エネルギーを調達

2024/11/25 07:58 更新NEW!


廃棄予定シューズをアップサイクルした「ネオカーブ」

 90%以上の取引工場で再生可能エネルギーを調達、靴・ウェアでの再生ポリエステル使用比率は40%(23年度)――アシックスは11月21日、サーキュラーエコノミー(循環型経済)実現に向けたこれまでの取り組みをメディア向けに報告した。11月1日にヨーロッパ限定で発売した廃棄予定シューズを原料に用いたスニーカー「ネオカーブ」の詳細も紹介した。

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 アシックスの井上聖子サステナビリティ部長、村岡秀俊サーキュラーエコノミー推進部長のほか、特別ゲストとして一般社団法人スイッチの佐座マナ代表理事がオンラインで参加した。

報告会に登壇した村岡さん(左)と井上さん

 井上さんは、「22年段階では再生可能エネルギーを使用した工場は2カ所だったが、当社のグリーン調達方針に基づき、現在は取引工場の全てがCO2(二酸化炭素)削減目標と再生可能エネルギーの具体的な調達計画を立てた」と話した。

 一方、ネオカーブはサンプル品や自社規定をクリアできなかったものを集め再材料化し、バージン原料などと掛け合わせてアップサイクルした。再生材料は靴の15%を構成する。靴の分解・粉砕・分類の工程では、オランダのベンチャー企業、ファストフィートグリンデッドと組んだ。回収から生産、販売までを欧州圏内で行った。第1弾の生産数は2400足。価格は250ユーロ。

 村岡さんは「26年から欧州でエコデザイン規制が敷かれ、靴の廃棄ができなくなることを見越して始めた。第2世代の開発を進める」と話す。

 アシックスはこの2年、サーキュラーエコノミー実現に向けたシューズの開発・販売を強化してきた。特に、温室効果ガス(カーボンフットプリント、CFP)排出量を低く抑えた「ゲルライトスリーCM1.95」でCFPを開示するようになったことで、「どうしたらその数値を引き下げられるか社内からの問い合わせが増え、知見の共有が進みやすくなった」(井上さん)という。

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