丸編み大手のアタゴ、東京増員でOEM強化

2015/11/06 07:02 更新


 編み立て・縫製一貫の丸編み大手、アタゴ(福井市、愛宕泰男社長)は、機能素材を軸にしたスポーツ、インナー向けのOEM(相手先ブランドによる生産)事業に力を入れる。純正国産表示制度「J∞QUALITY(Jクオリティー)」認証も武器に、東京オフィスを増員して営業を強める。

 同社は国内で丸編み機100台を保有する北陸有数のニッター。創業90年近くの歴史があり、50年代から自社で肌着用丸編み生産を始めた。

 現在はシングル編み、ダブル編みともゲージなど幅広く扱い、合繊長繊維から天然繊維、レーヨンやキュプラ混など様々な繊維を使った編み立てが可能だ。特に最近は機能素材に力を入れ、国内のほか、中国でも生産する。

 北陸では珍しい縫製との一貫生産体制も強みだ。国内自社工場は年100万枚の縫製能力があり、生地から縫製の一貫生産で、国内の大手アパレルからのOEM受注が主力。うち、スポーツが約7割、インナーが3割。人材教育にも注力しており、全社員対象に10年前から始めたTES(繊維製品品質管理士)試験の支援で、社員の1割を超す23人が資格取得している。

 Jクオリティー認証は、編み立て、縫製それぞれで取得した。これも売りに、既存客の深掘りに加え、国内の新規開拓を強める。

 このため、14年に開設した東京オフィスの機能を強化し、企画営業の若手スタッフを増員する。スポーツ、インナーに加え、ジャージーのレディス服、ジャケットなど、充実した生産体制を生かして広げる。

 海外生産は96年以降、中国・青島に進出、丸編み機34台と年600万枚の縫製スペースを持つ。国内同様、生地から一貫の品質の高さで、対日中心に堅調に推移する。

 10月に初めてインターテキスタイル上海にも出展。昇華転写プリントによるデザインのアレンジも含め、生地や製品で中国内販を開拓する。

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国内・中国で編み立て、縫製一貫の生産体制を構築


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