ウイメンズウエアの見本市「アトリエデザイナーズ」は、対象となる消費者層がはっきりしている。「アートギャラリーめぐりが趣味で、ちょっと変わったデザインの体形が隠れる服を好む年齢層の高い女性」といったところだ。そうした女性たちを顧客にもつ専門店のバイヤーがオーダーをつけていく。テイストが合うブランドにとっては出展しがいのある見本市といえる。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
初出展したマツオインターナショナル(東京)の「慈雨」は、明るい色とユニークな素材感、オーバーサイズであることが多くのバイヤーたちをひきつけた。アウターが特に人気で、黒地に白の大きな水玉をのせたウールのコート(卸売価格590㌦)、円や四角を膨れ織りで入れたウール・ポリエステルのジャケット(430㌦)、アブストラクトなプリントを入れたコットンのジャケット(260㌦)が特に良かった。
佐藤繊維(山形)の「M&キョウコ」は、ショールームの「ロニー・ラブール」と契約しての出展。コーテリやデザイナーズ&エージェンツなどを経て、一番客層が合う場にたどり着いたようだ。見るだけの人はいなくて、来た人は必ず数をつけていく。羽織り物が引き続き好調で、リバーシブルで上下逆さにしても着られるロングジャケット(242㌦)は、ウールに洗いをかけたことでチクチクしないと人気があった。アルパカ・アクリル・モヘアなどをミックスしたジャケット(201㌦)、ボタンの留め方しだいでスカーフ、ベスト、ボレロなどさまざまな着方ができる羽織り物(114㌦)も良かった。
吉村ニット(岐阜)「ヨシヨシ・バイ・PJ」は、立体感のある編み地にインクジェットで同系色のアブストラクトな柄をのせたものが好調だった。得意先はテキサスから西が圧倒的に多いことから、素材はコットンが好まれ、ウールは弱い。形はAラインのトップが好評。前後身頃に抜染で柄を入れ、凹凸のあるイレギュラーストライプを袖に入れたTシャツ(148㌦)、ジャカードと透かし編みのコンビネーションにインクジェットをかけたTシャツ(168㌦)が人気があった。