ベストドレッサー賞、又吉さんら6人

2015/11/28 11:48 更新


《MFU、ベストドレッサー賞2015》しなやかに自らの道を歩む 6人が受賞


 一般社団法人日本メンズファッション協会(MFU、八木原 保 理事長)主催の「ベストドレッサー賞2015」発表・授賞式が11月25日午後6時から、セルリアンタワー東急ホテルで開催された。ベストドレッサー賞は、ファッション産業の振興とファッションを通じての文化交流を目的に1972年(昭和47年)にスタートした恒例行事で、今年で44回を迎えた。「政治」「経済」「学術・文化」「スポーツ」「芸能」「インターナショナル」の各分野を代表するベストドレッサーを選考し、賞を贈っている。ファッションリーダーだけでなく、その人のライフスタイルや生き方がそのスタイルに表現されている人物が選ばれる。

 今年度は6人が選ばれ、授賞式には各受賞者が活躍する分野から、またファッション、アパレル、マスコミなど幅広い分野から約2000人が出席した。また、当日はベストドレッサー受賞者の中から、ウールが似合う人を選出する「ウールマーク」賞に吉田羊さんが選ばれた。

 

●鈴木直道さん

 東京都庁から夕張市に派遣され、3年後、市民有志に推されて市長選に立候補、当選当時全国最年少の市長となり、事実上財政破綻の夕張市の再生に奮闘する鈴木直道さん。学生時代ボクシング部の主将として鍛えた身体を包み希望と自信をみなぎらせたスーツ姿は、まさに男の勝負服スタイル。若手政治家を代表する颯爽としたベストドレッサーです。

鈴木市長 写真 (1)3-2


夕張市長 
鈴木直道氏

すずき・なおみち 1981年3月14日生まれ。埼玉県出身。経済的な事情から大学進学を断念し、1999年東京都庁に入庁。2000年4月、都庁に勤めながら法政大学第二部法学部法律学科に入学。大学では体育会ボクシング部主将も務め、2004年に卒業。2008年1月、猪瀬直樹東京都副知事の発案により夕張市に派遣。2010年11月に東京都を退職し、翌年4月、夕張市長選挙に無所属で出馬。当時全国最年少の30歳1か月で初当選を果たした。2013年ダボス会議を開く世界経済フォーラムが選ぶ「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出。2015年4月夕張市長に再選。

 


澤田秀雄さん

 電話1本で始めたベンチャー旅行会社を年商5000億円の超一流企業に育て、航空業界に新規参入や証券会社を立て直すなど業種にとらわれない経営で辣腕を発揮する澤田秀雄さん。着るものには無頓着であったと謙遜するが、世界をまたに掛け、多くの国際人との交流から培われたファッションセンスは超一流。明るく、楽しく、元気なベストドレッサーです。

澤田代表写真 (1)3-2


エイチ・アイ・エスグループ代表
澤田秀雄氏

さわだ・ひでお 1951年2月4日生まれ。大阪府出身。旧西ドイツ・マインツ大学に留学中、世界50か国以上を旅する。1980年新宿駅西口に旅行会社、株式会社インターナショナルツアーズを設立。格安航空券を中心に個人旅行、パッケージ旅行の販売を手がける。1990年株式会社エイチ・アイ・エスに社名変更。1996年にはオーストラリア・ゴールドコーストにホテル「Watermark Hotel Gold Coast」をオープン。1998年新規参入航空会社、スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)を設立。1999年協立証券株式会社(現エイチ・エス証券株式会社)の株式を取得し、代表取締役に就任。2007年エイチ・エス証券株式会社は持ち株会社制へ移行し、澤田ホールディングス株式会社となる。2010年4月より長崎県佐世保市のテーマパーク、ハウステンボスの社長に就任。

 

又吉直樹さん

 本年7月、小説『火花』でお笑い芸人としては初の芥川賞を受賞し、受賞作の単行本としては239万部を突破するという歴代1位の売り上げを記録した又吉直樹さん。古着を自分風にアレンジし、あんまり見たことがない服が好きと言う、その個性的なファッションも以前から注目されていたが、文士としての風格も加わり堂々のベストドレッサーです。

 

又吉直樹芸人
芸人 
又吉直樹氏

またよし・なおき 1980年6月2日生まれ。大阪府出身。お笑いコンビ・ピースのボケ担当。小学生の頃からサッカーを始め、高校時代は関西の強豪北陽高校(現関西大学北陽高等学校)サッカー部でインターハイ出場経験を持つ。2003年まで原偉大と「線香花火」というコンビで活動していたが解散し、その後、同期で仲の良かった綾部祐二とピースを結成し、現在に至る。趣味は散歩と読書と音楽鑑賞。2015年小説『火花』で芥川賞を受賞。お笑い芸人での受賞者としては史上初の快挙である。NHK・Eテレ「オイコノミア」、関西テレビ「ほっとするわ」、フジテレビ「ミライ☆モンスター」などに出演中。『火花』(文藝春秋)のほか、『第2図書係補佐』(幻冬舎よしもと文庫)、『冬の本』(夏葉社)『東京百景』(ワニブックス)、『芸人と俳人』(集英社 俳人堀本裕樹との共著)、『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』(ともに幻冬舎、せきしろとの共著)などの著作がある。

 

●吉田羊さん

 舞台女優としてマイペースに経験を重ねてきたが、この数年数々のテレビドラマに出演しクールな役柄をこなす一方、バラエティー番組では明るく親しみやすい印象をあたえ、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの吉田羊さん。ファッションも決して流行を追いかけるのではなく、素材もスタイルもあくまでも自分らしさにこだわる冷静で理知的なベストドレッサーです。

 

吉田羊女優
女優
吉田羊氏

よしだ・よう 2月3日生まれ。福岡県出身。1997年小劇場の舞台で女優デビュー。2001年に仲間と劇団を旗揚げし、主演女優を務める。2007年フジテレビドラマ「愛の迷宮」で映像デビュー。NHK大河ドラマに2011年「江~姫たちの戦国~」、2012年「平清盛」と連続出演。2012年10月からは、NHK連続テレビ小説「純と愛」出演、さらに2013年には同ドラマのスピンオフ作品「富士子のかれいな一日」で主演。2014年フジテレビドラマ「HERO」で、女性検事・馬場礼子役に抜擢され、一気に知名度が高まった。2015年10月からはTBSドラマ「コウノドリ」に出演中。2016年にはNHK大河ドラマ「真田丸」出演。また黒木瞳初監督映画「嫌な女」で映画初主演を務める。

 

松坂桃李さん

 学生時代にファッション誌のモデルオーディションでグランプリを受賞し、翌年特撮ドラマで俳優デビュー、今や映画、ドラマ、舞台と大活躍の松坂桃李さん。実は、真面目で人見知りでオタク気質だが、ファッションには興味が深く、ブランドよりも素材や着心地、スタイルや色味などにこだわる、さりげなく、かつ華のあるベストドレッサーです。

松坂桃李

俳優
松坂桃李氏

まつざか・とおり 1988年10月17日生まれ。神奈川県出身。2008年雑誌『FINEBOYS』の専属モデルオーディショングランプリを受賞。2009年テレビ朝日「侍戦隊シンケンジャー」で俳優デビュー。2011年出演した映画「アントキノイノチ」、「僕たちは世界を変えることができない。But,we wanna build a school in Cambodia.」で第85回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第33回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。2012年NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、2014年NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」、2015年映画「日本のいちばん長い日」「図書館戦争」「劇場版MOZU」、ドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」など数多くの映画、ドラマ、CMで活躍している。


シャーロット・ケイト・フォックスさん
 NHK連続テレビ小説「マッサン」のヒロイン・エリー役で多くのファンをつくり、今秋ブロードウェイミュージカル「シカゴ」の主役ロキシー・ハート役で好評を博したシャーロット・ケイト・フォックスさん。普段はTシャツにジーンズを基本としたアメリカンカジュアルで過ごすそうですが、器用に役をこなすようにマルチに着こなすベストドレッサーです。

シャーロット・ケイト・フォックス

女優
シャーロット・ケイト・フォックス氏

シャーロット・ケイト・フォックス 1985年8月14日生まれ。アメリカ・ニューメキシコ州出身。祖母はスコットランド人。カレッジ・オブ・サンタフェ演劇ダンス専攻でBFA(学士)取得後、ノーザンイリノイ大学演劇専攻のMFA(修士課程)修了。さらにステラ・アドラー・スタジオ・オブ・アクティング等、著名スクールで演技・ダンススキルを磨く。本国で舞台「毛皮を着たビーナス」「ザ・スメル・オブ・ザ・キル」「バスストップ(バス停留所)」等のメインキャラクターを演じ、その演技力・ダンスのスキルに高い評価を得る。2014年NHK連続テレビ小説「マッサン」にヒロイン・エリー役として出演、大きな注目を集める。2015年ミュージカル「シカゴ」の主役のロキシー・ハート役に抜擢。NYアンバサダー劇場のほか、12月に東京の東急シアターオーブ、大阪の梅田芸術劇場で上演される。



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