眼鏡フレームのボストンクラブ 眼鏡型端末へ独自パーツ
眼鏡フレームの企画会社、ボストンクラブ(福井県鯖江市)は、眼鏡型ウェアラブルデバイス市場の活性化に乗り出している。同社は昨年、眼鏡とヘッドマウントディスプレーなどの電子デバイスを連結させるためのジョイントパーツ「ネオプラグ」を独自に開発した。ネオプラグを用いれば、普段使いの眼鏡も電子デバイス化が可能。現在、地域を盛り上げるプロジェクトに特化したクラウドファンディング「ファーボ」を活用し、量産や販促に向けた費用を集めており、普及を目指す。
ネオプラグの使い方は、ヘッドマウントディスプレーに装着した状態のネオプラグを、眼鏡フレームのテンプルにスライドして取り付けるといったシンプルな方法だ。同社はネオプラグのジョイント部分に合う眼鏡型フレームや電子デバイスの開発を促し、「(ネオプラグを)眼鏡型ウェアラブルデバイスのプラットフォームにする」考えだ。
ネオプラグ装着用に専用眼鏡フレームも開発した。ベーシックなデザインで、マットブラックの1色。ファーボを通じた支援者には、ネオプラグと専用眼鏡フレーム、ヘッドマウントディスプレー「ビューファインプラス」などの限定セットを提供する。ビューファインプラスは米ビューファインが開発した製品。例えば、スマートフォンで見ていた動画を眼鏡越しに見ることができたり、ドローンを操作しながら、撮影中の映像を見ることができたりする。限定170セットの販売額(1セット5万円)が量産、販促費用になる。10日の時点で集めた金額は225万円(目標金額は350万円)。
同社は11年、海外の大手IT(情報技術)企業からの依頼を受け、スマートグラスの開発に協力していた。同社のほかにも家電メーカーやベンチャー企業が開発を進めていたが、「壁にぶつかり苦戦していた」という。「人によって頭部のサイズ、形、目や耳の位置などによるフィッティングが異なるほか、顔の印象に影響を与えるデザインの課題をクリアしなければ、実用的なプロダクトとして完成しない」からだ。
そのため、同社は眼鏡と電子デバイスのいずれも専業メーカーが作り、それらを誰でも簡単に取り付けることができるジョイントパーツの開発に至った。