ブラザー販売は、家庭用刺繍ミシンで300万円以上する国内最上位モデル「アヴェニールEV1」を6月から販売する。AI(人工知能)機能による画像の刺繍データへの変換などを新機能として搭載する。
国内の家庭用ミシン市場は、ここ10年で55%減少した。コロナ禍に一時上昇したものの、その後は厳しい状況が続いている。服や小物など既製品の低価格化が進行し、手作り需要の低下や、競合する趣味の増加が背景にある。
一方、「高価格帯のミシンの販売台数はそれほど減っていない」(安井宏一社長)。21年1月には前身となる「ルミナイアーXP1」を発売した。コロナ禍で自家製マスクによるミシン需要が増加したことで、欧米で販売していたものを国内でも販売した。
アヴェニールEV1では機能を進化させるとともに、国内でソーイングを楽しむ人向けに日本語にも対応した。特徴は、AIによる画像のスタイル変換だ。刺繍したい画像を取り込み、刺繍データに変換する際、原画の雰囲気だけでなく、ペンシルステッチや浮世絵風など10種類のスタイル変換ができる。
業界最大のプロジェクター表示エリアもポイントだ。プロジェクターで縫製前の布地に12.7センチ×20.3センチの図柄を投影し、シミュレーションできるほか、縫製時のガイドライン表示で縫い合わせ・ファスナー・ピンタックのステッチが正確に仕上げられる。

税込み320万円で、目標販売台数は年間50台を見込む。