〝鹿番長〟「キャプテンスタッグ」 リブランド実り成長

2019/09/03 06:30 更新


 〝鹿番長〟の愛称で親しまれている、キャンプ・アウトドア用品ブランド「キャプテンスタッグ」が成長している。

 ブランド設立40周年となる16年にリブランディングに取り組み、イメージが向上。アダストリアやユナイテッドアローズなど、ファッション企業との協業も増えてきた。今後も新規開拓や主要取引先での専有売り場拡大などに取り組む。

 1~7月のブランド売り上げは、前年同期比10%増。ホームページの閲覧数は前年の1.5倍ペースで推移している。

 好調の背景にあるのは、キャンプブームに加え、16年に着手したリブランドが奏功しているためだ。白色テントや木製ファニチャーなどナチュラル志向の客に向けた「CSクラシックス」(17年)、黒で統一した都会的でスタイリッシュな「CSブラックラベル」(18年)など、新シリーズを相次ぎ投入。実用性重視だった従来の商品から、ファッション性を強く押し出したものをラインナップに加え、ブランドイメージの向上を図った。すると、SNSなどで話題が広がり、定番品も「鹿番長のアレ」として呼ばれて再度売れ始めるなど、認知が広がっていった。

 さらにファッションアパレルや小売りとの協業も進んだ。18年の「エドウィン」に続き、今年は「ニコアンド」や「ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシング」、「ベイフロー」などと協業。各ブランドならではの素材や色柄、デザインをキャンプ用品に落とし込んだ商品を作った。髙波洋介常務取締役アウトドア事業部本部長は、「他業種から注目され、数年前には考えられない取り組みが増えている」と話す。

 今後は、主力取引先内でのブランド専有売り場を増やす。現在、全国のホームセンターやGMS(総合小売業)、アウトドア専門店などに広く卸売りしているが、「ブランドの全体像を見られないという不満の声がある」ため、ブランドの世界を表現できる広さを持つ売り場を増やす。既に17年4月に、初の直営売り場となる「キャプテンスタッグ・ベース」を、グループ企業が手掛けるアウトドア専門店の「WEST三条店」に開設、取引先店内で委託販売するコーナー売り場「キャプテンスタッグ・スタンド」も4カ所設けているが、同様の売り場をさらに広げる予定だ。

 キャプテンスタッグは1976年、家庭用品を扱うパール金属のアウトドア部門としてスタートした。約2万点に及ぶ幅広い商品バリエーションと手ごろな価格設定で知られる。19年4月期の売上高は約100億円。販路別の売り上げ構成は、ホームセンター・GMSで70%、ウェブ販売で20%、専門店その他で10%。

直営売り場の「キャプテンスタッグ・ベース」


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