22年の中国のEC業界では「アリババの停滞とライブコマースの急成長」が注目されたが、11月11日の「独身の日」商戦(W11)ではECプラットフォーム(PF)全体が伸び悩み、ライブコマースも一気に競合激化した。中国の消費者では「安いから買おう」との動機が薄れ、ライブコマースには中国・海外企業がなだれ込み、一部若年層に離散傾向も出ているという。中国のEC全体が踊り場を迎えた今、日系小売業は23年からは原点に立ち返り、「自社ブランドのコンセプト・質・価格」を伝えるEC運営が重要になるとみる。
(上海支局)
22年のアリババのW11流通総額(GMV)について、中国ECビッグデータ解析を行っているNint(任拓数据科技上海)は、「商品動向データから集計してもGMVはほぼ前年並み」とする。出荷個数が20%減、商品単価は前年並み、セット購入が増え、値引き率が抑制された結果、ほぼトントンとみる。
アリババ苦戦
今回アリババはスモールビジネスを積極支援するという原点に戻ったが、期間中のアパレル販売は15%減。今春夏の618商戦での20%減に比べると和らいだが、他カテゴリーより減少幅は大きい。伸びたのはアウトドア関連品ぐらいで、実績ある中国企業も苦戦した。
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