《センケンコミュニティー》レッツ“FAB”!!
ここ数年、一般の人がものづくり(ファブリケーション)を体験できる施設が広がっています。個人では買えないような高価で大きな機械も揃え、初心者が気軽にオリジナル作品を作れるワークショップのほか、クリエイターの制作拠点としても活用されています。今回はセンコミ担当記者が、東京都内にある施設でアクセサリーと3Dフィギュア作りに挑戦しました!
●「メイカーズベース」でイヤリング作り
レーザーカッターで思い通りのパーツに
「メイカーズベース」は、服飾副資材のナクシスの関連会社、メイカーズが運営する会員制シェア工房だ。目黒区の都立大学駅近くにある施設を訪問。アクリルのピアス・イヤリング作りを体験した(4320円)。
まず、アクリルパーツの形を決める。記者はあらかじめ用意されたテンプレートから選んだが、手描きのオリジナルデザインで作ることもできる。次は材料選び。たくさんのアクリル板から、好みのものを2種類選んだ。
①淡いブルーグリーンと、茶色のべっ甲の2枚のアクリル板をチョイス
形と素材が決まると、スタッフがアクリル板をレーザーカッターにセット。パソコン操作であっという間に四つのパーツが切り出された。
研磨剤でパーツを磨いたら、この後はいわゆるアクセサリー作り。工具や接着剤を使って小さなパーツ同士をつなぎ合わせていく。好みで、パールのような装飾パーツを付けたらオリジナルのイヤリングが完成!
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メイカーズベースのワークショップでは、シルバー・真鍮(しんちゅう)のリングや、カッティングボード(まな板)が人気という。おしゃれに関心のある20~30代女性の参加が中心だが、男性も革小物作りや藍染めを体験している。自分の作品をSNS(交流サイト)にアップして「体験をシェアする人が多い」のも特徴だ。会員は、施設にある機械を自分で操作して創作活動を行っている。
■メイカーズベース
〒152-0031
東京都目黒区中根1-1-11
TEL : 03-6421-1571/FAX : 03-6421-1572
営業時間 : 10:00~22:00/不定休
《体験に参加して》
もっとデジタルに作業するのかと思ったら、レーザーカッターはスタッフの人が操作してくれたので、実際はパーツの連結など指先を使うことが多く、不器用な記者は苦戦。次回はもっとオリジナリティーあるデザインにチャレンジしたい。
●「ファブカフェ・トウキョウ」で3Dフィギュア作り
休憩がてらアート制作、データ作りはワザと慣れが必要
渋谷の道玄坂を上がった先にあるものづくりカフェ「ファブカフェ・トウキョウ」。記者2人で「大人の3Dプリンターの会」に参加した。カフェらしく、ワークショップは1ドリンク付き(一人2300円)。紅茶やスムージーを飲みながら、スタッフから3Dプリンターの仕組みや特徴を教えてもらう。
説明の後はさっそく、専用ソフトを使いiPadとタッチペンで出力用の3Dデータを作成する。今回は「動物のフィギュアを作ってみましょう」ということで、記者はそれぞれ、ネコとウサギを作ることにした。画面は基本の棒人形からスタート。ここから、ペンを使って関節を増やしたり、腕や足の角度、胴体の太さを変えて、おおまかな土台を作る。
土台が完成したら、次の工程で細かく仕上げる。好きなツールを選び、ペンで画面をタッチしたりなでたりすると、まるで粘土のような感覚で、盛り上げる、削る、引っ張る、なめらかにする、といった加工ができる。例えば頭の部分を引き伸ばすと、耳ができる。この時削りすぎると、データが崩れて出力できなくなるので要注意。崩れた時は、滑らかにするツールで修正できる。正面だけでなく、横から、下からなど視点を変えながら、形を整える。
データが完成したら、3Dプリンターで出力。時間がかかるため、後日完成したフィギュアを受け取った。
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一見するとおしゃれなカフェだが、店内のあちこちにものづくりの機械が置かれている。お茶を飲むために来店した客が、レーザーカッターでマカロンにオリジナルの彫刻を入れたり、自分のiPhoneに入った写真をプリントしたトートバッグを作ったりと、その場ですぐに体験できることもあるという。
■ファブカフェ
東京都渋谷区 道玄坂 1-22-7道玄坂ピア1F
TEL : 03-6416-9190
営業時間 : 月~土 10:00~22:00/日・祝 10:00~20:00
《体験に参加して》
A記者=タッチペンの操作になかなか慣れず、かなり悪戦苦闘したが夢中になれた。平面ではなく立体としての完成度を追求するのが新鮮だった。B記者=想像以上に難しく、思っていたものの50%もできなかった。ただし、何度も練習すればイメージに近いデータは作成できるようになると思う。