【店長に役立つページ】百貨店ショップの全力接客㊤

2019/09/14 06:30 更新


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 今回は、百貨店売り場を代表するレディス、メンズブランドの店長さんの接客のこだわりを取材した。来店客のニーズ聞き取りや、納得した買い物と次回の来店につながるコーディネート提案など、どの店も全力の接客を行っている。

「23区」松屋銀座店店長 松本千織さん

スタイリング提案で理想をかなえる

店のVMDはゆとりを持ったコーナーを作り、お客が見やすいよう工夫している

 来店客は30代後半~50代で、キャリア層だけでなく母娘で来店するお客も多い。リピーターも初めて来店するお客も大切な「顧客として接する」ようにしているという松本さん。洋服を選ぶときの好みは人それぞれで、販売員が提案した商品やスタイリングがお客にとって好みとは限らない。だからこそ「お客様の理想と自分の提案が一致した時が一番楽しいし、そうなった人ほどリピーターになってくれる」と話す。

 試着の際には、商品単品ではなくコーディネートで着ることを勧めている。例えば、レザーのジャケットは着こなしが難しいアイテムのため、その日の服装にただ合わせてもしっくりこない場合がある。そこでお客のニーズを聞いてジャケットに合う商品も一緒に提案し、理想のイメージに近づけることがポイントだ。さらに一つだけではなく色々なコーディネートが出来ることを見せ、購入の後押しもしている。

 コーディネートを気に入って、セットで購入したお客は「おしゃれだねって褒めてもらったから、またコーディネートして欲しい」と次の来店につながることも多いという。

 スタッフ教育では「商品について学ぶことやスタイリングのバリエーションを増やすこと」などの基本を徹底している。基本だからこそ、お客が販売員を信頼してくれるかどうかの決め手になるからだ。試着した時に「なんか違うな」「ありきたりだね」などの声を聞いたときには、どこが違うのか、どういうものが欲しいかなど「積極的に質問をして具体的な情報を引き出して次の提案につなげる」ように伝えている。そうすることでスタッフ一人ひとりに考える力が付くようにしている。

「インディヴィ」京阪百貨店守口店店長 久永絵美さん

親身にとことん寄り添う

「お客様への興味を強く持つことが共感のある対話につながります」と久永さん

 京阪百貨店守口店は近隣住民の利用が多く、毎日のように来店する顧客が多い。同規模の「インディヴィ」の他店と客単価に大きな差はないが、来店回数が多いのが特徴だ。それはオケージョンへの対応がしっかりしていることの証明でもある。困った時や悩んでいる人への応対の満足度が高いからこそ、信頼も高まり、日常着でも選ばれる店となる。だからこそ久永さんは、絶えず「いかに親身に相談相手になれるか」を心がける。

 気になる商品を手に取った時が、あいさつを兼ねた声掛けの始めとなる。それは「少しでも早くお手伝いをしたい」気持ちからだ。百貨店では多くのブランドの中から買う服を決めきれずに、迷いながら来店する人が多い。百貨店は他の業態よりサービスへの期待レベルが高く「そのレベルに達していなければ店頭には立てない」と久永さんは言う。だからこそ「一緒に服を選ぶという姿勢で、お客様が納得するまであきらめず、とことん寄り添う。決して悩みを残したまま帰さない」のが百貨店の接客だと言う。

 こうした姿勢に加え商品知識も重要になる。素材にこだわったものは、家庭洗濯できないものが多い。そうしたデメリットもきちんと説明する。ただし素材の良さゆえなど、商品の魅力でもあることを忘れず伝える。

 近隣の顧客が多いため、急な購買の必要に駆られることがある。そうした時でも必ず試着を勧める。「イメージが違うと残念な思いになる。そうした気持ちにさせたくない」からだ。急ぎで試着ができない時などは、トルソーと実際の着用ではサイズ感や胸の開き具合などが変わることをきちんと伝える。相手の視線に立ち、親身で丁寧な応対への努力を重ねることがクレームの少ない、信頼度の高い店を作っていく。

(繊研新聞19年8月26日付)


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