百貨店のECが踊り場を迎えている。EC売り上げはコロナ下の20、21年に大幅な増収を確保したが、22年度は店頭での営業制限の緩和など入店客が徐々に回復した影響で伸びが鈍化した。ECは引き続き、中期経営計画での成長事業の一つの柱に位置付けるが、コスト削減に向けたオペレーション、高価格帯を中心とした品揃えの再編など戦略の見直しが迫られている。
(松浦治)
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コロナ下で、歳暮・中元などギフト需要のほか、衣食住のデイリーアイテムが自家需要として伸びた。各社ともサイトを刷新し、掲載商品の拡大、利便性の向上や情報発信を強化する。
個でつながる
三越伊勢丹ホールディングス(HD)はEC売り上げを24年度までに600億円に引き上げる。規模拡大の中心は化粧品専用サイトの「ミーコ」と食品の宅配サービス「イセタンドア」で、つながった顧客に対して買い物体験だけでなく、百貨店の様々なコンテンツを提供する。ミーコとイセタンドアはすでに黒字化あるいは23年度に黒字化する見通しで、化粧品、食品の専用ECとして新規顧客の獲得に結び付ける。
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